いわき市は、福島大食農学類と連携して農業の課題や解決策を探る取り組みを始めた。第一弾として、学生と市農業委員、認定農業者らの生産者、流通業者が先月、地産地消やブランド化などのテーマで意見を交わした。こうした機会を増やし、将来の担い手となる若者の思いや考え方を農業振興につなげるよう求めたい。
意見交換では、取り組むべき課題として、就農人口の拡大や産地間競争に打ち勝つためのブランド化などを挙げた。学校給食により地産地消を進めて農業を盛り上げていくという提案をはじめ、いわきならではの伝統野菜の振興やフラ文化にちなんだ熱帯果実の生産、水産資源と組み合わせた特産品の開発なども有効といった指摘もあった。首都圏に近い立地環境を生かし、体験型農業を充実させることで観光客を呼び込む重要性も示された。
二〇二〇(令和二)年に市内で年間六十日以上農業に従事した人は三千四百十二人で、五年前より約千八百人減少していた。就農者の維持は国内共通の課題だが、平均年齢を見ると全国が六五・五歳、県が六七・二歳なのに対し、市内は六九・九歳と高齢化が進んでいる。二十九歳以下はわずか0・01%だった。新規就農者も県内の他地域に比べて少ない傾向にあり、二〇二一年度は二十人にとどまった。
市は、農産物の生産力を高めるための設備購入を支援する予算を倍増し、農薬散布用ドローンやリモコン式草刈り機の導入費などの一部を補助している。これらの対策と合わせ、将来にわたって持続的に発展可能な農業の方向性を打ち出さなければ、若者を中心とした新規就農者の確保は見込めない。
市内十三地区のうち十地区に中山間地があり、面積は八万ヘクタールと市全体の約65%を占める。いずれも高齢化や人口減少などによる活力の低下に悩まされている。基幹産業が元気になれば、その道を志す人もおのずと増えてくるだろう。魅力ある農産物、特産品に加えて、農業に触れる機会の提供は新たな観光交流人口や関係人口を生み出し、地域に今以上の活気をもたらす。
今回の意見交換を形式的なものにしてはならない。学生らと定期的に交流する場を設け、提案や議論の内容を各生産団体内で共有し、地域存続に関わる課題として農業振興策を練るべきだ。市は、学生と生産者が知恵を出し合った取り組みに対し、財政面を含めてしっかりと後押しする必要がある。(円谷真路)
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August 01, 2022 at 07:00AM
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【いわきの農業振興】若者の声を生かそう(8月1日) | 福島民報 - 福島民報
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