広大な大地を“カンバス”に、農の営みがさまざまな模様を描く。自然と農家の手が生み出す「農模様」を紹介する。(釜江紗英、木村泰之)
秋の農村に押し寄せる紅葉の波――。全国有数のナガイモ産地である青森県五戸町で10月下旬、ナガイモの葉の紅葉が盛りを迎えた。
支柱に張ったネットにつるを絡ませて育てるため、上から見るとまるで連なる波のように見える。紅葉は地中の芋の収穫時期を告げるサインで、農家は11月ごろから、正月の需要期に向けた掘り取り作業に追われる。
同県では2022年、夏の豪雨や長雨で、広い範囲が被害に遭った。JA八戸野菜総合部会部会長の中里光朋さん(66)は「大変な思いをしたが、葉の色づきは相変わらずきれい」と笑顔を見せる。
収穫したナガイモは、国内だけではなく、米国などにも輸出する。
しましま
大区画の水田が広がる新潟市南区白根地区では10月になると、紫色の帯が現れる。収穫時期を迎えた食用菊「かきのもと」の畑だ。
爽やかな香りと筒状の花びらのしゃきしゃきとした食感が特長で、同地区は県内産の約8割を生産する。
名前の由来は、農家の垣根の下で昔から栽培されていたからという説もある。
収穫は花がしおれない朝の数時間が勝負。50アールで栽培する小柴雄作さん(57)は、開いたばかりの花を選んで一輪ずつ摘み取りながら、畝間を進んでいた。
しわしわ
宮崎市の田野、清武地域では12月になると漬物用のダイコンを干す光景が農地に広がる。
「大根やぐら」と呼ばれる竹や木の棒を組んだ高さ6メートルほどの巨大な干し場に、隙間なくダイコンを掛けていく様子は同地の冬の風物詩だ。「鰐塚おろし」という冷たく乾燥した風にさらすことで、うま味が凝縮する。
ダイコンは雨にぬれたり凍ったりすると商品にならない。そのためやぐらにシートをかぶせ、ヒーターで温めるなど手間がかかる。JA宮崎中央干し大根部会で部会長を務める松山一男さん(65)は「出来は上々で間違いなくおいしい。ぜひ味わってほしい」と話す。
てんてん
完熟の水玉模様――。鳥取県八頭町の特産ブランド柿「こおげ花御所柿」の園地は、収穫期になると枝に実だけが残った光景が広がる。
柿は樹上で完熟させて渋味を抜くため、葉が全て落ち、霜が降りるのを待ってから一斉に収穫する。あられが降ると柿が変色する恐れがあるため、農家は短期間での集中した作業に追われる。
農家の細田日出男さん(77)は「今シーズンは10年に1度の出来栄え」と笑顔で作業に励んでいた。
くねくね
収穫時期を迎えた静岡県菊川市の「千框(せんがまち)の棚田」では、等高線に沿ったうろこ状の水田が黄金色に様変わりする。
両手を広げた幅しかないような小さな田が集まった棚田では10月下旬、オーナーらによる稲刈りでにぎわいを見せていた。
稲刈りが終わると同地では、世界農業遺産「静岡の茶草場農法」で使うススキやササが育つ。
棚田の保全に取り組む茶農家の堀延弘さん(65)は「棚田と茶園を一体で守る仕組みが、この景観を維持している」と力を込める。
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January 01, 2023 at 03:03AM
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