野村農相は、輸入に大きく依存する穀物や肥料、飼料の価格高騰が進んだ22年は、これらの自給強化に向けた「ターニングポイント」だったと振り返った。自給強化の取り組み推進へ、食料安保の強化対策を含む22年度第2次補正予算に、約8200億円を確保したとも強調した。
23年の農政の推進は「国内でできるものは国内でやる。それが中心だ」と言及。補正予算に盛り込んだ施策をてこに、輸入に依存する小麦の代替として、米粉用米の増産を進めることに意欲を示した。
肥料の自給強化では、堆肥のペレット化による広域流通などに「重点的に政策を打っていく」と言及。稲作地帯ですき込みや焼却処理されている稲わらを、粗飼料として畜産県に供給する取り組みも進めるとした。
野村哲郎農相への単独インタビューの詳細は次の通り。
──2023年は農政にとって、どのような年になるか。
22年はターニングポイントだと言ってきた。飼料価格は上昇し、地元の鹿児島で盛んな畜産もこのままいけば採算が取れるのかと考えていた。肥料でも、リン安が中国からの輸入が難しくなっている。今は高くても海外から買っているが、本当にそれでいいのか。日本の農業を変えていかなければいけない。
食料安全保障の強化を積極的に議論する自民党とも連携し、22年度第2次補正予算では食料安保費を含め約8200億円を確保した。23年の農政のテーマは「今、日本にあるものを使って、日本で生産していく」だ。
──食料・農業・農村基本法の検証で重視する論点は何か。
検証部会でテーマごとに議論を進めている。あと10年すれば、高齢農家が引退し、次の担い手がいないという話が目立つが、地域、作目ごとに考える必要がある。地域によって畜産や園芸などでは若い人、後継者もいる。
担い手問題を最も取り組まなければならないのは、高齢化が進む稲作だ。集落などを単位に法人化し、社会保障を整えるなどすれば魅力ある職場になる。米は省力化が進み、他作目を取り入れる余地もある。他作目との複合経営で、リスクヘッジすることも重要だ。
──基本法検証では、適正な価格形成を訴える声も強い。
価格に生産者の声がどれだけ反映されるか期待しているのが、検討が進む米の現物市場だ。これがうまく軌道に乗れば、畜産物をはじめ、他品目でもできるのではないか。
──農水省は水田の畑地化を推進する方針だが、畑地化は転作助成の対象から外れるため、産地に不安も強い。
畑地化には賛否両論あると思う。米を作るのが水田だ。であれば、小麦の代替にもなる米粉の専用品種がある。米粉用米には国の交付金も出る。需要のある麺やパンへの加工に向く専用品種の種子の増産を補正予算で支援する。小麦アレルギーの人もいて米粉と小麦粉の混入は避ける必要がある。米粉専用の製粉施設整備への支援も盛り込んだ。
──JA鹿児島県中央会出身として、JAグループへの期待を。
国内で生産できるものを大事にしていかないといけない。かつて日本が1位だった大豆の輸入額も、現在は中国が首位で6割を占める。大豆は雨に弱いが、例えば九州では佐賀などが適地だ。JAグループの「国消国産」も、各地域で栽培が適した作物で取り組むことが大切ではないか。(聞き手・岡信吾、仁木隼人)
"農業" - Google ニュース
January 01, 2023 at 03:03AM
https://ift.tt/hxcnwFL
国産活用強化の年に 野村農相インタビュー - 日本農業新聞
"農業" - Google ニュース
https://ift.tt/ceByUC7
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
No comments:
Post a Comment