ヤギも盗難 「運びやすいサイズ」狙う 業界 全国に注意喚起 栃木、群馬両県などで子牛や子豚を狙った連続盗難事件が相次ぐ中、栃木県では5月にヤギも盗まれていたことが分かった。犯人らは運びやすいサイズの家畜を狙っているとみられ、同県もホームページ上で、子牛と子豚に加え、ヤギ被害にも注意を促している。事件の広域化を受け、全国約1500の養豚農家らが加盟する日本養豚協会は、全国の会員に対し、頭数管理や防犯対策などの注意喚起に乗り出した。 ヤギが盗まれたのは足利市の畜産農家(68)。草刈り用に飼っていた5頭のうち3頭が、5月に盗まれた。 北関東の家畜盗難を巡っては、栃木県足利市の牛舎から子牛6頭が盗まれた他、群馬県では前橋、伊勢崎、太田、館林の4市の豚舎から計690頭が盗まれ、両県警などが窃盗事件として捜査している。 自治体や業界団体は注意喚起を本格化した。日本養豚協会はメールで頭数確認などの徹底を要請。牛と違って豚は多産であることから、密集しがちな子豚はいなくなっても気付くのが遅れてしまいがちという。栃木県は防犯カメラやセンサーライトの設置に加え、防犯対策を取っていることを示すステッカーの表示などを求めた。 690頭が盗まれた群馬県では、県畜産協会が注意事項を通知した。防犯カメラ設置の検討を要請した他、被害に遭った場合はすぐに警察へ通報するよう求めた。また、畜舎に泊まって寝ずの番を始めた農家もいるといい、犯人が動物の殺処分に手慣れているとみられることから、目撃しても接触せず、警察に通報するよう注意喚起した。 養豚農家は豚熱対策として養豚場の周囲に野生動物が進入しないようフェンスを設けているが、人の侵入までは想定していない。防犯対策の強化には新たな出費が迫られそうだ。 前橋市は27日、家畜の盗難防止へ生産者への支援事業を始めると発表した。防犯カメラなどを設置する場合の費用や、民間警備会社による市内養豚場の巡回費用を助成する。 今後、生産者、JAや県と協議を重ね、詳細を詰める。同市農政部は「昨年度から豚熱対策として、ワクチン接種や防護柵などの支援しているが、これ以上の経済的損失や防疫体制に対する不安を取り除くため、早期に対策を検討したい」と話している。同市では、子豚を中心に盗難が相次ぎ、これまでに5戸、約580頭が被害に遭っている。 日本農業新聞の購読はこちら>> 2020年08月28日
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August 31, 2020 at 05:09AM
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