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Thursday, April 23, 2020

[新型コロナ禍 農と食] 栃木・観光イチゴ園 「応援消費」強まる絆 - 日本農業新聞

客がいないイチゴハウスを見回る小久保さん=写真右。ジャムを作ろうと数キロのまとめ買いをする近隣住民も多い=左(栃木県鹿沼市で、釜江紗英写す)

 ビニールのカーテンをくぐり、ハウスに入ると、甘い香りが鼻をくすぐった。人の姿が消えてしまった分、飛び交うミツバチの羽音が間近に聞こえる。深緑の葉むらに紅の実がまぶしい。

 イチゴの生産量が半世紀以上も日本一の座にある栃木県。今年も記録の更新が懸かるが、産地の一つ、鹿沼市で最大の観光イチゴ農園、出会いの森いちご園は4月13日、1カ月も早く今季の営業を終えた。首都圏を中心とした最初の緊急事態宣言の後、団体客のキャンセルが相次ぎ、苦渋の中で決断した。

 「営業を終えたといって、イチゴは熟れるのを待ってくれない。自慢のイチゴを一粒も無駄にしたくないので」。農園の経営母体、農業生産法人かぬまの小久保有也さん(43)は14日、園内を慌ただしく駆け回っていた。地元JAへの振り分け出荷や、農園の入り口に仮設した青空直売所の対応に追われている。

 とはいえ、大幅な減収は避けられない。経営的には厳しい状況にある一方で、直売所にやってくる個人客が後を絶たない「思いがけない」現象も起きた。毎年春、農園を訪れて自ら摘み取ったイチゴでジャムを作るのが楽しみという宇都宮市の女性は、7箱を買った。「農家も大変だし、私もジャム作りまで自粛したくないし」と笑う。

 新型コロナウイルスの感染拡大で「食」への不安が広がる中、生産者と消費者の絆は逆に強まっている。県内の別の観光農園は、春期の来客が前年比の1割にまで落ち込んだが、3月に開設したインターネット通販は「応援」を兼ねた購入が伸びているという。

 出会いの森いちご園は3年前から、鹿沼市に移住してイチゴ農家を目指す人を研修生として受け入れている。就農者を増やしたい市と連携し、これまで12人が研修生になった。「買ってくれる人も大変な時だからこそ、おいしいイチゴを作ろう」。横浜市から一家5人で移住し、2年間の研修を終えて今月末に独立する元ゼネコン社員、河原尚史さん(43)の決意だ。(栗田慎一)

<メモ>

 農水省の野菜生産出荷統計によると、2018年の全国のイチゴ生産量16万1800トンのうち、栃木県は2万4900トンと51年連続日本一。代表品種は「とちおとめ」。近く新品種が市場に登場する。JA全農とちぎなどによると、コロナ禍でもスーパーなど市場向け出荷は堅調だが、観光農園は全国緊急事態宣言後に休止が相次ぎ、23日現在、県内34園のうち半数が今季の営業を取りやめている。

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