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Monday, March 9, 2020

練習用に農具提供グラウンド除雪 地元農家の応援熱く 帯広農高 - 日本農業新聞

フレコンバッグに白球を打ち込む帯農ナイン(北海道帯広市で)

トラクターで除雪をする梶さんら(梶さん提供)

観客席には行けないけれど…


 グラウンドの除雪やネットの張り替え、練習で使えそうな農具の提供──。春の選抜高校野球大会に出場する北海道帯広市の帯広農業高校野球部の活動を、農業を営む保護者や地元農家らが多彩な方法で支えている。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、無観客での開催が計画されているが、「全力で応援したい」と意気込む。

 野球部員36人のうち、20人が農家の出身。保護者は、定期的にネットの補修やブルペンとして使うビニールハウスの張り替え、冬場はグラウンドの融雪などを手伝う。市内で小麦やジャガイモ、テンサイなどを67ヘクタールで栽培する梶隆寿さん(47)は、2年生の祐輔選手(17)の父親だ。部員が練習に専念できるようにと、2月下旬には同じ農業を営む保護者と共に、トラクターでグラウンドの融雪作業を行った。隆寿さんは「できることはサポートしていきたい」と話す。

 主将でエースの井村塁選手(17)の父親、井村哲也さん(46)は、幕別町でテンサイやジャガイモ、小麦などを約30ヘクタールで栽培する。協賛会の会長として、野球部の保護者やPTA役員、同窓会会員約80人と共に選手の遠征費用などに充てる協賛金集めに奔走。十勝地方の全24JAや全町村役場、約560社の地元企業に足を運び、協力を依頼した。「協賛を快く思ってくれるところが多い。生徒たちを安心して送り出せるよう、活動を続けたい」と意気込む。

 豊頃町で乳牛550頭を育てる酪農家の加島富浩さん(59)は近く、肥料などを入れる使用済みのフレコンバッグを提供する計画だ。屋内打撃練習所にある打撃用ネットの補強材として活用してもらう。加島さんは、息子が野球部に所属していた10年前にもフレコンバッグを提供した。「破けるくらい全力で打ち込み、ぼろぼろになるまで使ってほしい」と期待する。

 井村選手は「周囲の支えがあって活動できている。感謝の気持ちを忘れず、甲子園では全力プレーで最後まで戦い抜きたい」と意気込む。前田康晴監督は「甲子園ではナインが全力で戦っている姿を見てもらい、農家ら支えてくれている皆さんに元気や勇気を届けたい」と話した。
 

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