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Thursday, January 27, 2022

准組の意思反映 課題共有し農業振興へ - 日本農業新聞

 JAの事業運営や地域農業の振興に准組合員の意思をどう反映させるか、各JAで意欲的な取り組みが進んでいる。准組合員は「農業振興の応援団」として欠かせないパートナーだ。正組合員を交えた対話を通じて准組合員の位置付けを明確にし、意思反映の仕組みを作っていこう。

 総合事業を維持し、地域農業を振興するには、准組合員と手を携えていかなければならない。大半の准組合員は事業利用が加入時の主な目的だろう。だが農業協同組合である以上、JAの理念や役割を理解し、地域の農業振興に貢献したいと思う「意思ある准組合員」を育てる必要がある。それには組合員講座や協同活動などへの参加を促し、モニター制度や懇談会などで声をくみ上げ、JAの事業運営に生かすことが求められる。

 こうした問題意識から昨秋の第29回JA全国大会では、准組合員の意思反映や事業利用に関する方針を総代会などで決定し、実践することを決議。約420万人の正組合員を「農業振興の主人公」とし、約630万人の准組合員を「農業振興の応援団」で「正組合員とともに、地域農業や地域経済の発展を支える組合員」と位置付けた。

 さらに食と農に関心を寄せる地域住民や関係人口(推計1800万人以上)も視野に入れ、組合員予備軍の裾野を広げることを明確にした。

 准組合員の意思反映を自己改革の実践サイクルに入れることで、農業者の所得増大や経営基盤強化に結び付けることがJAが取り組むべき課題だ。これは、政府の規制改革実施計画や総合農協監督指針が求めていることでもある。JA全中によると、既に過半のJAが准組合員意思反映の取り組み方針を策定し、さらに加速しているという。今年を方針実践の年にしよう。

 ただ全ての准組合員に等しく事業運営への参画を求めるのは現実的ではない。農業振興に貢献したいという意思を持った准組合員を把握することから始めたい。その上で運営への意思反映では、埼玉県・JAいるま野が直売所モニター、JA兵庫南は利用者懇談会を通じて行っている。JA福岡市は常勤役員が准組合員懇談会の場で直接疑問や意見に答え、その様子を全支店長や部室長らに公開する。

 経営への関わりでは、理事や組織代表としてJA運営に直接参画する道もある。大事なのは、准組合員から出された課題や意見に向き合い、双方向の関係を築くことだ。その過程を「見える化」し、役職員、組合員で共有しよう。

 何より正組合員の理解が欠かせない。正准一体となってJA事業運営と農業振興に取り組んでいこう。それが、JAへの不当な攻撃に対抗する力にもなる。

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