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Sunday, October 3, 2021

食料システム改善 飢餓撲滅へ世界けん引 - 日本農業新聞

 国連は初の食料システムサミットを開き、地球環境に優しく、飢餓に苦しむ人々に食料が行き渡る食料の生産・供給体制の構築へ各国に取り組みを促した。飢餓撲滅や持続的な食料生産に向けて、日本は積極的に行動すべきだ。

 サミットは、飢餓撲滅や気候変動対策など、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて取り組みを加速するのが狙い。オンラインで先月開いた。世界の飢餓人口は再び増加傾向で、目標である2030年までに「飢餓ゼロ」を達成するのが困難になっていることが背景にある。

 国連によると、20年は新たに1億3200万人が食料不安に陥り、飢餓に直面する人が推計で最大8億1100万人に上った。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)や自然災害の頻発、紛争などが要因だ。

 食料システムは、生産から加工、流通、消費までの一連の活動を指す。サミットで各国首脳らは、これをどう改善するか報告した。日本は菅義偉首相が①生産性の向上と持続可能性の両立②自由で公正な貿易の維持・強化③各国・地域の気候風土、食文化を踏まえたアプローチ──が重要だと強調。みどりの食料システム戦略を通じて、環境負荷の少ない持続可能なシステムの構築を目指すと表明した。

 米国はビルサック農務長官が、5年間で総額100億ドルを投じ「飢餓の解消や気候変動に対抗する持続可能な農業を強化する」と表明。バイデン政権の強い姿勢を示した。

 日本は食料の6割以上を輸入に頼る。環境負荷を減らしながら国内生産を振興し、海外依存を削減、飢餓に苦しむ国や地域に食料が回りやすい環境づくりや、農業振興への協力などで貢献すべきだ。

 一方で、新たな課題が浮上した。国連食糧農業機関(FAO)などが、環境や価格に影響を与える農家支援が日本は多いとし、改善を求めている。こうした指摘には、多湿なアジア・モンスーン地域に位置し、小規模経営も多いなど、欧米との違いを考慮していないといった問題がある。日本政府は、世界の多様な農業への理解を広げ、環境負荷削減などの国際ルール作りにも反映させることが重要だ。

 国連のグテレス事務総長も「万能な解決策はないということで一致」したとし、地域や国ごとの状況を踏まえた多様な取り組みを支持した。

 サミットでは、飢餓ゼロや学校給食、食品ロスなどの8課題に、それぞれ協働して取り組む国・地域で連合体を設立するよう決めた。12月には東京栄養サミットが開かれる。こうした国際的な活動と、国内食料システムの改善の推進を通じ、世界の貧困と飢餓の解消に向けた取り組みをけん引すべきだ。

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