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Sunday, August 8, 2021

農業者のうつ 心の健康に配慮が必要 - 日本農業新聞

 人口当たりの農業者が少ない地域ほど、農業者に、うつ症状が疑われる確率が高いとの分析結果が公表された。農業者は減り続けており、心の健康に悪影響を与える可能性は今後高まる恐れがある。心の健康を農業者任せにせず、周囲の支援も含め交流機会を増やす工夫をしたい。

 東京大学などの研究チームがまとめた。日本老年学的評価研究機構が39市町村の65歳以上を対象に実施した健康に関する調査と、農水省の農林業センサスを基に分析した。

 世界的には、農家のうつを研究した論文は多数ある。多くは、農家はうつになりやすい、自殺の割合が高い傾向があるとする。天候など多くのリスクを抱え、所得が不安定なことなどが要因とされる。日本では規模拡大が進み、地域農業を背負う責任や重圧が増している可能性がある。 

 今回の分析は、農業者の密度という農業構造に着目したのが特徴だ。うつ症状が疑われる確率(推計値)は農業者が19%で、他よりも2ポイント高かった。耕種農家でみると、密度の最も高い地域に住む農業者は男女とも19%だったが、密度の最も低い地域では男性が25%、女性が27%と高くなる傾向にあった。

 分析を踏まえ同チームは「生活リズムが似ており、共通の話題もある農家同士の交流の場が大切ではないか。農家が地域を超えて交流できる仕組みなども有効かもしれない」と指摘する。 多くの人を雇用する企業は、心の健康を保つメンタルヘルス対策を極めて重要な課題と位置付けている。厚生労働省の調査では、企業の61%が何らかの対策を実施している。メンタルヘルス不調により1カ月以上休んだ労働者がいる事業所の割合は8%で、1000人以上の大企業では89%に上る。メンタルヘルスは生産性にも大きく関わる。

 農業者も事情は同じだろう。心の健康を損なえば、農業が続けられなくなる可能性がある。地域農業の持続性の面からも、農業者の心の健康を保つ意義は大きい。 農業者の減少を規模拡大で補うのが今の農政の方向性だ。一方で、心の健康に、農業者の密度も大きく関係していることが分かった。行政やJAには、農業経営や営農活動への支援だけでなく、心の健康にも十分配慮してサポートすることが求められる。

 現状でも、生産部会やJA青年部・女性部など農業者同士が交流する機会はある。JAや行政などによる研修会や勉強会もある。ただ、心の健康の面では、新型コロナウイルス下で人と接する機会が限られているのが気がかりだ。 オンラインの活用を含め、「3密」の回避などのコロナ対策をとりながら、農業者の交流を促進したい。

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