2020年9月11日
深谷市は東京都心から70キロ圏内の県北に位置する。全国的に有名な深谷ねぎをはじめ、トウモロコシやブロッコリーなどの野菜、ユリやチューリップなどの花卉の栽培が盛んな農業地域だ。同市農業委員会(安藤已喜夫会長、農業委員24人、農地利用最適化推進委員16人)では、就任2年目の推進委員が大きな成果を上げている。
推進委員に就任して2年目となる井田貢さん(69)は、農地中間管理事業や新規就農者の支援に積極的に取り組み、大きな成果を上げている。
井田さんは、農業者の高齢化や耕作放棄地の増加により、このままでは地域の農地をうまく維持できないのではという危機意識を持っていた。
そのような中、2016年に同市、大里農林振興センター、農地中間管理機構とともに地元大寄地区の担い手約10人を集めて農地中間管理事業の説明会を開き、その後の取り組みにより24ヘクタールの農地集積を実現した。
「まず大規模農家に協力してもらうため、コツコツと大所を中心に10軒ほど回った。中には反対する人もいた。全員に賛成をしてもらうまでには時間がかかり大変だったが、何回も足を運ぶことで最終的には理解をしていただけた。反対をする人には、やってみましょう、やる気になればできると思います、というように前向きな言葉をかけるよう心掛けた。諦めずに取り組んだことが農地集積につながった」と話す。
また、今回の農地の集約・集積が実現した背景には、「自らの欲で動いたわけではない」ということがあると井田さんは感じているという。
「少しでも自分に利益のあることであったら、地域の人は賛成して協力をしてくれなかったと思う。3、4年をかけて農地中間管理事業に取り組むことで、ほとんどの耕作放棄地が解消できた。水利問題がなかったこともうまくいった秘訣だと思う。また、市の農業振興課と連携しての活動が大切だと実感した」と話している。
井田さんは、新規就農希望者に対して、農地や作業所を探すなどの支援も行っている。多くの就農希望者が井田さんを尋ねて相談に来る。
新規就農の支援をして感じていることは、「一度挫折を経験している人のほうが農業をうまく続けられている。農業は自然相手であり、うまくいかないこともある。苦労をしてきた人のほうが困難を乗り越えられている。農業に対する取り組みの姿勢も違う」と語る。
地域の今後について、「あと2人くらい新規就農者が欲しい。地域の農業を担ってくれる農業者を増やすことを目標に新規就農者の支援を続けていきたい。また、今後も欲を持たず、地域の耕作放棄地の解消のために農地中間管理事業に積極的に取り組んでいきたい」と意欲を語る。
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September 11, 2020 at 07:31AM
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24ヘクタールの農地を集積 埼玉・深谷市農業委員会 井田貢推進委員 – 全国農業新聞 - 全国農業新聞
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