ロボット技術やICT（情報通信技術）を活用して省力化などを図るスマート農業。初期投資が大きいため主に大規模農家が取り組んでいるが、小規模農家への適応を目指したプロジェクトが浜松市の山間部で始まっている。
浜松市天竜区の春野地区には、山々の間を流れる川沿いに小さな畑や田んぼが点在している。その畑の一つで、真新しい赤いトラクターが行き来していた。運転するのは4代目農家の山下光之さん（44）。自動操舵（そうだ）機能が付いた機種で、ハンドルから手を放して笑顔を見せた。
山下さんは、市と農家、農機メーカーなどで組織する「市中山間地スモールスマート農業実証コンソーシアム」が進める取り組みの参加者だ。取り組みは、急激に進む後継者不足に危機感を抱いた市が農林水産省の「スマート農業実証プロジェクト」に応募し、選ばれた。今年度から2年間で実施し、持続可能な農業を目指す。
スマート農業には先端技術を活…
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