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Saturday, August 27, 2022

農業デジタル人材 地域挙げ育成進めよう - 日本農業新聞

 農業分野で“デジタル人材”の育成に関心が高まっている。鍵となるのは「地域を挙げて自前で人材を育てる仕組みづくり」だ。デジタル技術はあくまで目的を達成するための手段。使いこなした上で「どんな地域、どんな人をつくるか」という明確な視点が欠かせない。

 「デジタルトランスフォーメーション(DX)」という言葉を、あちこちで見たり聞いたりするようになった。デジタル技術の活用が、商品やサービスの質、仕事の手順、組織の風土まで「根底から変革する」といった意味で使われる。“デジタル人材”とは、それらの変革を推し進める人を指す。

 長野県上田市で7月、「農業デジタル人材育成プロジェクト」が始動した。政府がまとめたデジタル田園都市国家構想では、デジタル人材を2026年度末までに230万人育成する目標を打ち出すが、地域を挙げて育成している事例はまだ少ない。その意味で、上田市は先進だろう。

 プロジェクトは市とJA信州うえだ、同JA子会社の信州うえだファーム、県上田農業農村支援センター、NTT東日本などが連携し、役割を分担する。育成する人材は、新規就農を希望し、今年4月から農業分野で活動を始めた地域おこし協力隊の2人とした。特徴は、①営農指導にデジタル技術を活用する②JAが関わり役割を担う③対象は地域おこし協力隊④スマート農業を実践する地域リーダーに育てる⑤持続可能な地域と農業を目指す――ことだ。

 農場実習の中で実践する技術の一つが「遠隔営農相談」。眼鏡にデジタル技術を備えた「スマートグラス」を着けると、指導員のパソコンや端末とつながり、農場内の状況を映像で共有し、アドバイスを受けられる。

 営農指導の基本は現場での対話だが、農業経験の浅い人が日々の迷いや悩みを解消するのに、デジタル技術は有効だ。プロジェクトに参画する地域おこし協力隊員は「自分が『大変だ』と思ったらよくあることだったり、その逆だったりする。指導員の訪問を受けなくても、ちょっとした不安をその場で解消できるのが一番」と話す。

 支援センターやJAの指導員にとっても、「指導員不足」という課題解決につながる。これまでの訪問回数の一部を遠隔相談に置き換えて時間を短縮したり、業務を効率化したりできるからだ。

 大事なのは育成する人材の「数」ではない。持続可能な地域と農業をつくり上げるには、地域に根差し、農業で生計を立てたいという“精鋭”を育てることが肝要だ。

 デジタル技術を通し、人や地域、農業、組織のつながりを密接にしよう。

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