新型コロナウイルスから身を守るのは農産物生産者の責務-。兵庫県南あわじ市でタマネギやレタスなど野菜の生産販売を行う農業法人「淡路島希望食品」(2525(にこにこ)ファーム)の社長、迫田瞬さん(36)はこう強調する。世界レベルで感染が広がり、社会不安は高まるばかり。生産者が感染すれば野菜の安定供給はストップしかねない。「日本の農業と消費者を守るためにも社員全員が健康を維持して食材を供給し続ける」と決意を語る。(勝田康三)
■絶対に感染しない
兵庫県でも新型コロナ感染者が次々と確認された3月中、淡路島には多くの他県ナンバーの車が来島していた。しかし、同月末に島で感染者1人が確認されると状況は一変。さらに4月7日の緊急事態宣言で県が対象地域になると、一気に人の動きが止まった。
「3月ごろまでは休校の子供たちを対象に収穫体験などの企画を考えていた」と迫田さん。全国で感染が拡大する状況をみて考えを改めた。「われわれ生産者は絶対に感染してはならない」
単に感染が怖いというだけではない。食料を安定的に供給するという生産者の責任を強く感じたという。
食料自給率が4割にも満たないとされる日本。世界で感染拡大が長引けば食料の輸入も滞り、日本に入ってこなくなる可能性もないとはいえない。「生産者自らが身を守ることが日本の農業、消費者を守ることにもつながる」とその先を見通す。
同社は平成24年、迫田さんが神戸市から南あわじ市に移住して創業。現在、社員は6人で、平均年齢26歳と若い会社だ。作業を行う広い畑では感染リスクは低いものの、全員にマスクを支給し、手洗いの徹底はもとより、コンビニなどでの買い物は人が集中する昼は避けるよう指示している。
■売り上げもダウン
農業が盛んな同市内で、約7ヘクタールの借地でタマネギやレタス、トウモロコシを栽培し、都市部のスーパーや百貨店、飲食店などに出荷する。ただ、4月の売り上げが前年同期比で1・5割ほどダウン、5月は3~5割落ち込むとみている。
ヒトとカネの動きにブレーキがかかり、取引先の飲食店や観光施設、百貨店が大幅に減る一方、来店客が急増したスーパー関係で売り上げが増えた。しかし、それでも全体ではマイナスとなった。
1億円を今期の売り上げ目標としたものの、昨期(9月末)の7300万円程度を維持できればと頭を切り替えている。新型コロナの感染拡大は経営上、大きな障壁に違いないが、「社員全員でこの危機を乗り切りたい」と話す。
■農業ベースに新規事業
人材にも恵まれている。マネジャーの井川翼さん(30)には「わが社のアイデアマン」と全幅の信頼をおく。会員制交流サイト(SNS)を活用し、収穫の様子をリアルタイムで発信。元気に収穫する姿をみてもらい、取引先だけでなく、その先の消費者に向けた安心安全宣言の意味も込める。新型コロナの影響で内定を取り消された新卒者の新規採用にも取り組んだ。応募者はゼロだったが、次々とアイデアを実行に移す柔軟性が同社の魅力の一つだ。
「若い会社なので何でも挑戦できる。あくまで農業がベースだが、空いている時間に取り組む新規事業は歓迎する」と迫田さん。社員らに農業以外のことにも関心を持ち、前を向いて生きることを求めている。
安全でおいしい野菜を多くの消費者に。日本の食を守るという強い意志が“見えない敵”に立ち向かう原動力になっている。
さこだ・しゅん 昭和58年生まれ。神戸市出身。大学卒業後、大手人材派遣会社に就職したが3カ月で退社した。「顧客満足度より利益優先主義に嫌気がさした」という。ラーメン店をチェーン展開する会社に再就職し店長などを経験。28歳で淡路島に移住して就農、「淡路島希望食品」を立ち上げた。
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May 03, 2020 at 08:00AM
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「日本の農業守り抜く」 美食の島から野菜の安定供給を(産経新聞) - Yahoo!ニュース
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