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Saturday, May 2, 2020

[未来人材] 35歳。5年で会社員に見切りイチゴ農家継ぐ 小さな粒で大きな夢 栃木県那須塩原市 菊池太輔さん - 日本農業新聞

「なつおとめ」の苗を世話する菊池さん(栃木県那須塩原市で)

 栃木県那須塩原市の菊池太輔さん(35)は、Uターンで父の宏さん(62)の下で就農し、イチゴを栽培する。高原地域の涼しい気候を生かし、県オリジナルの夏秋新品種「なつおとめ」に力を注ぐ。イチゴが品薄になる夏場に飲食店からのニーズに応え、有利販売につなげている。

 菊池さんは、工業系の大学を経て、埼玉県の自動車部品メーカーに就職。農業はいずれは継ごうと思っていたものの、部品のプレス金型の設計を任されるなど責任も増していった。一方で「会社員として30年働き続けても給料は頭打ち。農業にはもっと夢があると思った」と振り返る。

 5年勤めて退職し、2012年に就農。宏さんが栽培するイチゴ「とちおとめ」とは作業時期が重ならない「なつおとめ」に魅力を感じた。「夏場でも30度に達しない冷涼な気候が生かせる」と決意した。

 当初は「なつおとめ」を適さない土耕で栽培したため、病害との闘いが続いた。そこで高設栽培に切り替えようと、工業系の知識を生かしハウスを自ら建設。15年には、スマートフォンでハウス内の温・湿度や地中温度などが分かるアプリケーションを導入し、ロスが1、2割減った。現在のイチゴ経営面積は宏さんと合わせ70アール。そのうち40アールが「なつおとめ」だ。

 展示会に出展を重ねると、夏場にイチゴを求める県内外の洋菓子店からの注文が相次いだ。「栽培が不安定な就農当初から、地元の洋菓子店が『なつおとめ』を買ってくれた。地元が一丸となり応援してくれる新品種に賭けたい」。規格外活用へジャムやピューレの加工も手掛けたがやめた。「夏に生果で食べられる価値の方が大きい」と、生果販売にこだわる。

 菊池さんは「失敗したときに理由を自問自答するのも楽しい」と明るい。自然に左右され、臨機応変な対応が求められる農業を始めて、植物の生態や気象にも興味を持つようになった。

 パート3人を雇用する中、働きやすい職場づくりも考える。「休みなく働けば収量や質も上がるが、必ずしもやりがいにはつながらない。誰かが休んでも作業できるような効率化を進め、農業をゆとりのある魅力的な職種に育てたい」と力を込める。
 

農のひととき


 埼玉からUターン就農したからこそ、空や山、四季の風景が美しい地元の価値に気付くようになった。農業は自分で休みを調整できるので、混雑の少ない平日にドライブやゴルフで余暇を楽しむ。最近買った「アップルウオッチ」は、手袋をはめたままLINEのメッセージや着信履歴が確認でき重宝している。冷凍したイチゴをかき氷にして練乳を掛けた「かきイチゴ」は、農家ならではの夏の楽しみだ。
 

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