農水省は13日、来年度からの新たな食料・農業・農村基本計画の考え方を明らかにした。食料自給率目標について、算出方法を見直す方針を打ち出した。従来の指標に加え、飼料自給率を反映しない目標も新たに設定する考え。(2月21日付、全国農業新聞)
「自給率」考える機会に
新型コロナウイルスの感染拡大は、ついに「パンデミックと言える」(WHO=世界保健機関/テドロス事務局長)段階になった。
輝かしいオリンピックイヤーとなるはずだった2020年は、誰もが予想し得なかった事態となり、人々の動きが止まり、経済へ大打撃を与えている。
強硬な封鎖政策をとる中国以外の世界では感染が拡大していくと言われ、欧米では「ワクチンなど予防策が出なければ、人類の60-70%が新型ウイルスに感染し、発症した人の1%が死亡する」との予測が報じられている。
長期化すれば、その間、サービス業や飲食、観光など人やモノの移動が制限される。多くの経済活動が機能停止に陥り、株価は下がり、金融危機が進行し、世界経済の成長率はマイナスに転じる。
国内農業も牛肉や生乳、花き類をはじめ青果物も外食需要の減退により直接的なダメージを受ける。生産現場でも、豚熱ウイルスやイモ類の基腐(もとぐされ)病など見えない疫病との戦いが続いている。
この状況下、来年度からの新たな「食料・農業・農村基本計画」の骨子案が政府から発表された。政府の農業政策に関し、中長期的に取り組むべき方針を定めたもので、おおむね5年ごとに見直されている。今回は産業政策と地域政策を「車の両輪」とし、中小や家族経営への支援方針も掲げており、専業・大規模化を促してきた政策を大きく転換した。焦点の「食料自給率」では、従来のカロリーベースを基礎的指標としつつ、家畜の飼料自給率を反映しない「食料国産率」を新たに加えている。
前回の見直しで登場した「食料自給力」は、輸入が途絶えた際、国内で農地や農業者などを最大限に活用し、どれだけ食料を自給できるか示す「潜在生産能力」として、供給可能なカロリーを提示している。平時であれば「食料自給力」は特に話題にならなかったが、今やパンデミックな非常事態であり、この指標への関心をもっと高める必要があろう。
そして農業の国内生産拡大を実現し、安全・安心な国産農畜産物の安定供給に国民の理解を得ることをアピールする必要がある。同計画では「できるだけ多くの国民が我が国の食料・農業・農村の役割や食料自給率向上の意義を理解する機会を持ち、自らの課題として将来を考え(略)」と記す。不謹慎だが、今は絶好の機会とも言える。
ウイルス危機でグローバリゼーションがしぼんでいくなか、わが国が食料を安定的に確保できる時代は、唐突に終わるのかもしれない。そんな危機感が現実とならないことを願うばかりである。(JA沖縄中央会常務理事)
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March 19, 2020 at 05:14AM
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「食料・農業・農村基本計画」骨子案 嵩原義信氏(JA沖縄中央会常務理事) - 沖縄タイムス
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