林業や山村を巡る情勢は、厳しさを増している。森林資源の適切な管理には、伐採した跡地に再び苗木を植える再造林が欠かせないが、初期費用や労力負担が大きいため、なかなか進まない。林業従事者数は2015年に4万5000人と減少傾向にあり、年間平均給与も全産業を大きく下回る。
省力化や担い手の確保、所得の向上は喫緊の課題だ。山村の過疎・高齢化は深刻で、空き家や耕作放棄地の増加が問題となっている。21年に閣議決定した新たな森林・林業基本計画では、こうした課題解決とさらなる成長発展を目指し、五つの柱を立てた。
柱の一つが「新たな山村価値の創造」だ。教育や健康、観光など多様な分野で森林空間を活用したさまざまなサービスを提供し、雇用や収入の機会を生み出し、関係人口の拡大につなげる狙いだ。
教育分野なら、自然体験活動がある。日本農業新聞が3月まで連載した「里山の力! 木更津社会館の子どもたち」は、森の中で生き生きと遊び、学ぶ子どもたちの姿を紹介した。大きな葉でお面を作り、落ちた枝で地面に絵を描く。大人によって与えられた遊びではなく、自然の中で想像力を働かせて遊びを創る原体験だ。山道を走り、木によじ登る経験を通して自身の体力や成長を知る。土や緑、風に抱かれて五感をフル活用させ、感性を磨く。これこそが里山の力だ。
文部科学省が21年に発表した調査では、小学生の頃に自然体験活動を多くすると、自分への肯定感や精神的な回復力が高まるなど、その後の成長に良い影響が見られることが分かった。
健康分野では、森林浴や森林ヨガに注目だ。森林の香気にはストレスを軽減したり、免疫力を高めたりする効果が期待され、企業などが社員のメンタルヘルス対策や保養活動に導入を進める。観光なら、山村に宿泊して地元住民と交流しながら伐採体験や郷土料理を楽しむ農泊が人気だ。現在、農水省が地域経済活性化に向けた農泊推進へ、都府県ごとにネットワークづくりを呼びかけるなど、機運が高まっている。
山の価値は多彩だ。森林を疲れた心と体を癒やす空間と捉え、新たなビジネスの可能性を探ろう。山に関わる人が増えれば山村への理解が深まり、荒廃を防ぎ、地域全体の活性化へつながっていく。
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August 10, 2022 at 03:07AM
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