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Wednesday, August 24, 2022

スマート温室 地域挙げ指導体制築け - 日本農業新聞

 デジタル技術を活用した温室「スマートグリーンハウス」が普及してきた。ただ、現状では誰がやっても成績が上がるというわけではない。産地全体のレベルを上げるには、データの収集・解析技術などを周知し、共有する必要がある。地域を挙げた指導体制の構築が急務だ。

 農水省は、デジタルを活用して農業に変革を起こす「農業DX構想」を推進している。労働力不足に対応した効率的な生産を実現しつつ、消費者にも評価されるような価値を生み出すことを目指す。

 施設園芸は環境制御がしやすいため、デジタル化を進めやすい。農家自身の経験と勘を数値に代え、蓄積したデータを解析することで、収量や収益性を大きく伸ばせる可能性がある。

 センサーなどを導入してハウス内のデータを取得し、それを分析し、農業現場で活用している経営体は、2020年センサスでは1万2000と全体の1・1%しかない。農水省は25年までに、担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を実践する目標を立てる。だが現段階では、システムを導入すれば誰もがデジタル化の恩恵にあずかれるというものではない。使いこなす力量が求められる。

 相手は植物。生きている以上、同じ品種でも個体差はある。施設内の環境は制御できても生育は制御できない。環境と生育のデータの関係を読み解く力が必要だ。

 センサーの扱いが不慣れでデータが正確に取れないケースもある。データ収集に充てる労務管理も経営体によっては課題だ。集めたデータの解析力にも個人差がある。スマート化で飛躍的に生産性を伸ばせる余地があるだけに、同じような設備・装置を入れても、収量や収益の差は、アナログ時代よりさらに開いてしまう可能性もある。

 産地全体の力量を上げていくためには、まずはこうした経営体ごとの差を縮めていく取り組みが必要だ。大きな役割を担うのが普及センターやJAなどの指導機関となる。

 日本施設園芸協会は、全国の優良事例を調査し、成功要因を分析した「スマートグリーンハウス転換の手引き」をまとめた。成功例を総括し「民間任せではなかなか普及していかない」との意見があった。「データはあっても、正しい見方ができないと無意味」と、データ解析についての指導の重要さも指摘する。

 関連機器やシステムは急速に開発が進む。その中から産地、経営体として、何が必要で何が不要かを見極める力、導入した設備を使いこなす技術を、産地に広く身に付けてもらう必要がある。データは正しく得られているか、得られたデータを読み解けるか。指導機関への期待は大きい。

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August 25, 2022 at 03:01AM
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