にかほ市で官民5者が連携し、環境保全型スマート農業の技術確立と普及を目指す取り組みが始まった。水田で雑草の発生を抑える「抑草(よくそう)ロボット」の活用などを通じ、農薬に頼らない稲作を行う。2025年を目標に営農モデルを構築する。
電子部品製造を中心とする工業が盛んな地域特性を生かし、農業との連携を強化・加速する試みと言えよう。農林水産省は昨年5月に「みどりの食料システム戦略」を策定し、有機農業の面積を拡大する数値目標を示している。5者の取り組みを、環境負荷の低減にとどまらず、担い手不足といった地域農業が抱える課題の解決にもつなげてほしい。
5者は農業生産法人・権右衛門(にかほ市)、市内に生産拠点を置く電子部品製造のTDK(東京)、農機具メーカーの井関農機(同)、抑草ロボットの開発などを手がける有機米デザイン(同)、にかほ市。先月、連携協定を締結した。
権右衛門は市内の74アールの実験圃場でロボットを活用した稲作を実践。TDKが全体のリーダー役を務め、井関農機、有機米デザインがロボットなどの機器やノウハウを提供する。にかほ市は営農モデル普及を図る。
環境保全型スマート農業の取り組みは、TDKの地域貢献活動として民間側が20年にスタート。市内で抑草ロボットの実証試験などを実施している。民間主導で動き出しており、今後の展開に期待が膨らむ。
抑草ロボットは有機米デザインが開発。水田を動き回り、スクリューで土をかき混ぜることで水中の雑草の光合成を防ぎ、発生を抑える。「アイガモ農法」を機械化した形で、田植えから約3週間稼働させる。ほかにも実験圃場で、自動運転の田植え機やトラクター、リモート自動水門、水位センサーなどを導入する。
ロボットなどの活用で作業がどの程度省力化されるのか。コメの品質や付加価値はどうか。営農モデルを普及させるには、これらを具体的に示していく必要がある。
市によると、農産物販売額が年50万円以上などの要件を満たす市内の販売農家は、00年に1522人。それが20年には559人と3分の1に減少。耕作放棄地はこの間、2・4倍に拡大した。少ない担い手で広い面積を耕作するという効率的な農業の推進が、喫緊の課題となっている。
TDK創業者で、衆院議員も務めた市出身の斎藤憲三は「農工一体」を掲げ、故郷にTDKの工場を建設。農家を豊かにするため次男や三男の雇用の場をつくった。祖父茂介と父宇一郎は、湿田を乾かし馬に犂(すき)を引かせて耕す「乾田馬耕」などを通じて農業近代化に尽くした。
今回の取り組みの根底にも「農工一体」の理念がある。全国に普及可能な営農モデルを構築してほしい。
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June 11, 2022 at 07:12AM
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社説:にかほの環境農業 工業との連携推進期待|秋田魁新報電子版 - 秋田魁新報電子版
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