利益を追求するための競争原理の徹底を基本にした新自由主義とグローバリズムは、分断と格差を拡大し、人類の生存すら脅かしている。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、ワクチン格差を通して先進国と途上国の「命の格差」を可視化。食料の偏在は8億人を飢餓で苦しめている。地球という器そのものもきしむ。資源収奪型の生産活動は地球温暖化をもたらし、多様な生物がつながり合って生きる生物多様性も破壊する。
新自由主義を転換し、持続可能な経済社会を構築しなければならない。その可能性は、作ることと食べることを信頼でつなぐ生消の提携活動に見いだせる。農産物の産直と産地交流や援農などを通じた顔の見える関係づくりだ。
その実践として注目されるのが有機農業の推進である。化学農薬・肥料に頼らない生産で地球環境を保全。有機農産物を生産する地域の自然や景観、社会の豊かさを守りたいとの思いにもつながる。
自動車産業の衰退で荒廃した米国デトロイト市を救ったのは、住民たちによる有機農業だった。街に緑の風景が戻り、住民に絆が再生した。こうした取り組みは、欧州でも広がり、欧州連合(EU)での有機農業の割合は全農地の8・5%に上る。
有機農業の拡大には地域内での連携も重要だ。地元で生産した有機農産物の学校給食での利用は、安定した販売先を生産者に提供する。学習や情報提供、農業体験などを通じて子どもや保護者らの地域農業への理解も深まる。
地域内や地域を越えた生消提携活動の持続には、JAと生協による協同組合間の連携が有効だ。再生産と投資を可能にする適正な価格形成と顔の見える関係をつくる仕組みの構築・運営が必要だからだ。
国際協同組合同盟(ICA)には、世界で10億人を超す組合員が結集している。協同組合間の連携で有機農業に取り組む素地は広がっている。
日本政府は、「みどりの食料システム戦略」で有機農業を2050年までに100万ヘクタールに拡大する目標を掲げた。全耕地の4分の1に上る。
既存技術の普及や革新的技術の開発と併せ、生消提携による有機農業推進の仕組みづくりも政府は支援すべきだ。地球に優しい農業を世界的に広げるために、高温多湿なアジアでのモデルを確立・普及する取り組みの先頭に日本は立つことが求められる。
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January 05, 2022 at 03:07AM
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[きょうどうの時代]有機農業の拡大 持続社会へ生消提携を - 日本農業新聞
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