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Tuesday, January 4, 2022

ローカル5G農業×食育、調布市とNTT東日本らが連携 - 新公民連携最前線

高速・大容量の通信規格「ローカル5G」など最先端技術を使って栽培したトマトが東京・調布市の若葉小学校の給食に提供された。東京都と東日本電信電話(NTT東日本)、NTTアグリテクノロジーの連携で開発する新しい農業技術をベースにし、調布市らが取り組むデジタ化に対応した食育の推進への新たな試みだ。巨大な食の消費市場を抱える東京で、デジタル技術を積極的に活用した新しい農業への挑戦が公民の連携で始まっている。

小学校でデジタルを活用した農業技術を学び、収穫されたトマトを食べる

 調布市の人口は増え続け、2028年に約24万1700人となってピークに達すると予想される(調布市の将来人口推計、平成30年3月)。そんな調布市の市立若葉小学校には約820人(2020年度)の児童が通う。

 11月半ばのある日、6年生の給食には「かしわパン、サーモンフライ。ミネストローネ、レモンドレッシングのサラダ、牛乳」のほかに、トマトが丸ごと1個提供された。

 給食を配り終えると、スクリーンにローカル5Gを使ったトマト栽培の紹介動画(NTT東日本提供)が3分ほど映し出され、デジタルと農業技術の関わりを学んだ。見終わると全員で「いただきます!」と声を合わせ、待ちわびた楽しい給食の時間だ。

ローカル5Gを活用してトマトが栽培されたことを動画で学ぶ(写真:長坂 邦宏)

ローカル5Gを活用してトマトが栽培されたことを動画で学ぶ(写真:長坂 邦宏)

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6年生の給食に初めてトマトが丸ごと1個提供された。「めっちゃうまい。甘みがあって、おいしいです」と嫌いなトマトにかじりつく子供も(写真:2点とも長坂 邦宏)

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6年生の給食に初めてトマトが丸ごと1個提供された。「めっちゃうまい。甘みがあって、おいしいです」と嫌いなトマトにかじりつく子供も(写真:2点とも長坂 邦宏)

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6年生の給食に初めてトマトが丸ごと1個提供された。「めっちゃうまい。甘みがあって、おいしいです」と嫌いなトマトにかじりつく子供も(写真:2点とも長坂 邦宏)

 直径5cmほどの真っ赤なトマトにかじりつく高橋邦寿(くにひさ)さんは、「めっちゃうまい。トマトは嫌いだから家では食べない。でもこれは甘みがあって、おいしいです」と話しくれた。給食でトマトを丸ごと食べるのは初めてという。

 農林水産省は2021年3月、国民の健全な食生活の実現と、環境や食文化を意識した持続可能な社会の実現のために、「第4次食育推進基本計画」を公表した。その中で3つの重点事項を挙げているが、そのひとつが「『新たな日常』やデジタル化に対応した食育の推進」だ。

調布市教育委員会学務課主査で栄養管理士の土谷喜美子氏(写真:長坂 邦宏)

調布市教育委員会学務課主査で栄養管理士の土谷喜美子氏(写真:長坂 邦宏)

 一方、調布市は市内の企業や大学などと共同で社会課題の解決や経済的価値の創出を目指す「調布スマートシティ協議会」を2021年6月に設立。調布市の市立学校では、市内農業経営者と連携し、農産物を活用した給食の提供を通じ、地産地消を進める「S&A(スクール&アグリカルチャー)」に取り組む。また、農水省の「第4次食育推進基本計画」で打ち出された「『新たな日常』やデジタル化に対応」するため、タブレットなどを活用した食育の推進を行っている。

 同協議会の会員であるNTT東日本はNTTアグリテクノロジーと共に、調布市と連携してデジタル化に対応した食育の推進を行い、調布スマートシティ協議会が掲げる「S&A」にも積極的に取り組む。「調布スマート協議会の取り組みもさらなる連携を築くことで、今、調布市が考えているスマートシティの推進につなげていきたいと考えています」と、調布市教育委員会学務課主幹の渡辺賢治氏は話す。

 調布市行政経営部企画経営課担当課長の伊藤宏氏は、今回の取り組みについて次のように話す。

 「目的は大きく2つあります。ひとつは最先端農業ハウスで栽培される新鮮でおいしいトマトを給食食材として活用することで地産地消につなげていく。もうひとつは地域で行われている新しい農業技術の取り組みについて、タブレットなどで学ぶことで、デジタル化に対応した食育の推進を行うことです」

 今回、使用したトマトはミネストローネに入れた調理用トマト50個に加えて、丸ごと提供された小玉トマト150個。価格にして3000円ほど。これは学校給食運営費として学校長の責任の下で執行される予算に含まれ、保護者が負担することになる。今回の食育事業で調布市としての予算措置はゼロ円ということになる。

 「食育にはいろんな試みがありますが、生産や流通の理解を深めることも学校給食法で定められています。給食で手に取るまでに食べ物はどんな工夫があってできたのか。その過程を知ることは食への感謝の気持ちを育むことにつながります」―― 調布市教育委員会学務課主査で管理栄養士の土谷喜美子氏は、食育の意義についてこう説明する。

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January 05, 2022 at 04:04AM
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