22日、アメリカは日本産食品における輸入規制の撤廃を決定した。この決定により、福島県産のコメや原木シイタケ、牛肉など、2011年の福島第一原発事故以降、安全性への懸念などから停止されていた農畜産物およそ100品目の輸入を再開する。 【映像】選手村で韓国が独自に設置した“給食センター”の様子(1分30秒ごろ~) 福島第一原発の事故を受け、一時は55の国と地域で実施されていた日本産食品の輸入停止規制措置。震災から10年が経ち、規制が撤廃されていく一方、今も14の国や地域で規制が続いている。ニュース番組『ABEMA Prime』では、福島県でコメ農家を営む「カトウファーム」の加藤夫妻をゲストに招き、議論を行った。
日本産食品の輸入規制を続ける国や地域について、ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「例えば小麦を買うとき、商品に『チェルノブイリ産』と書いてあったら日本でも積極的に買う人はいないのでは」と言及。その上で「日本人が福島を応援したいのは分かるが、チェルノブイリ産の食材を積極的に食べたいかというと、どうだろうか。外国の人が、無理して食べなくていいものを食べないのは当然。そういう人たちが、福島で作った作物を食べないのは当たり前だ。風評被害の完全解決は無理だと思う」と主張する。 輸入規制撤廃の動きはアメリカだけではない。EUも来月からの規制緩和を決定。県や農家による徹底した検査の実施など、地道な努力によって徐々に緩和されつつあるが、ひろゆき氏は「安全性を売りにしている限りは(完全解決は)難しいだろう」と述べる。
「例えば、その場所で釣れたフグを食べると、メチャクチャおいしいと。毒に当たる可能性があっても、みんなフグを食べる。その場所でしか手に入らないすごくレアな食品であれば、ある程度リスクがあっても食べたいと思う人はいるだろう。でも、コメは福島県産以外にもおいしいコメがいっぱいある。『他の産地でいい』と思う人がいるのは、当然の感覚だ。安全を売りにしている限りは難しいので、その当然の感覚を理解しておくべき。基準が安全かどうかではなく、これはもう別の話になっている」 また、今年行われた東京オリンピック・パラリンピックでは、韓国が福島県産の食材を避けるため、独自の給食センターを設置。韓国を含む中国、台湾など14の国と地域では、今も輸入停止を含む何らかの規制を継続しているのが現状だ。 この出来事にケンドーコバヤシは「新型コロナの流行があったから仕方ない面もあるとはいえ、“復興五輪”と言っていたものが何も復興に根ざしていなかったのではないかと思ってしまう。選手村で福島県産が避けられた話を聞いて、ショックだった」と落胆を隠せない。その上で、過去にTOKIOが出演していた福島県産のテレビCMに言及。「TOKIOさんが福島の食材をおいしく食べるCMはすごく食欲が湧いた。あのCMがすごく好きだった」と話した。 筑波大学大学院准教授の五十嵐泰正氏は「先ほどひろゆきさんから『じゃあ日本人ってチェルノブイリの食材を買っているのか』という話にもあった通り、僕もこの問題が大きいと思う」と語る。 「韓国は日本産の食品を全体的に避けている印象があるが、台湾、中国、香港あたりは日本の農産物輸入は全体的に増えている。アメリカももちろんそうだ。このあたりの国々は日本産の食品を全部禁止しているわけではない。福島県を中心に周辺の県で収穫された農作物などの輸入について、それぞれの国ごとに停止する品目があるだけ。取材で台湾の人に聞くと『日本の食品はこんなにたくさん買っているのに、なんであえて福島県産を選ばなきゃいけないの?』という感じだった」 福島原発事故から10年、海外の国や地域があえて福島県産を選ぶ“理由”がない状況に、ひろゆき氏は「福島県産として売れた方がいいことはわかる」と前置きした上で「風評被害が、実際10年経っても解決しなかった。なので、おそらく15年経ってもマイナスのイメージは変わらないと思う」とコメント。続けて「Made in Chinaが一部の消費者から嫌がられた結果、最近“Made in PRC”という表記で中国製品を売っている会社がある。ああいう形で、福島や郡山などの名前を入れずに、別の名前で売った方が全然売れるのではないか」と提案した。 ひろゆき氏の提案に、福島のコメ農家「カトウファーム」の加藤晃司さんは「私たちは海外に行って地道にPRすることしかできない。ひろゆきさんがいうように、行政と連携してネーミングを工夫するなり、そういうことをやっていくしかない。草の根作戦ではないが、私たち農家はもがくしかない」と回答。晃司さんの妻・絵美さんも「福島県産のPRでアメリカに行ったとき、ただただ『かわいそう』と言われた思いがある。『福島で農業していること自体がかわいそう』だと。『アメリカに来て農業しなさい』と言われたこともあった」と話す。 また、絵美さんには香港に友人がおり、実際に福島県に来てくれたことがあったという。友人は「福島のことは大好きで応援している」と言ってくれたが、同時に「ただ福島県のお米やお水を飲むことはできない」とはっきり言われた。絵美さんは「応援したい気持ちはあっても、自分が食べたいかどうかは、また違う話なんだと思った」と当時の気持ちを明かす。 加藤さん夫妻の話を聞いた作家・乙武洋匡氏は「例えばワインは日本の都道府県別で一番生産量が多いのは神奈川だ。『葡萄畑なんてあったっけ?』と意外に思われるかもしれないが、海外から輸入したブドウを神奈川県でワインにしている。つまり、葡萄畑はないが、神奈川県が日本で1位だ。それと同じように、例えば米も育てて、収穫するまでは福島だけど、精米して別の場所でいい商品にする。そして、そこの産地で売れるシステムにしたらいいとも思うが、やっぱり福島県産として売りたいのだろうか」と質問。 乙武氏の質問に晃司さんは「私たちも生活がある。農業で生活が成り立つような仕組みがいい。私たちも福島という誇りは持っているが、生きていかないと、何もならない。生きていくためにすべき策をしていきたい」と話す。 一方で、妻の絵美さんは「私はこの10年間、福島が少しでも良くなるように活動に取り組んで来た。ちょっと(生活が)苦しくても、福島を少しでもPRしていきたい思いはある」と回答する。 「そもそも、福島で売らなくていいのであれば、震災後に福島以外の場所に行って、農業を始めている。私たちも、知り合いから『福島を離れて違う県で農業をしてもいいのではないか』と、そういう話をいただいたことがある。しかし、そういうために農業を始めたのではないような気がしている。先祖代々受け継いだ土地で農業を始めてしまった以上、なかなか簡単にさよならできない」 絵美さんの意見に晃司さんも「この土地を守る意識で、ここで会社を立ち上げた。震災が起きて、農家が激変して、縮小してやめた人も多いが、やはり私たちが請け負わないと次がないと思っている。そういう気持ちもある」と話す。 質問した側の乙武氏も、震災後に被災地を回った経験があるという。「例えば、津波の被害に遭った地域は、今回が初めてではなく、だいたい100年周期ぐらいで同じような被害に遭っている。でもまた同じところに家を建てて、同じところにコミュニティを作っている」といい、「東京生まれで『ここが俺のふるさとだ』みたいな意識を持たない私には、最初はちょっと理解しづらかった」と明かす。 「あなたたちがまたここに住み始めたら、100年後のあなた方の子孫がまた同じ被害に遭う。だったらもっと高台で暮らし直せばいいじゃないと思っていた。でも実際、現地に行って皆さんのお話を聞くと、土地に対する愛着はかなり強い。加藤さんご夫妻もその気持ちに近いものが、農業に関してもあるのではないか」 東日本大震災と福島第一原発事故から10年が経過した今、緩和され始めている輸入規制。風評被害の問題が続く中、現地で農業や漁業に関わる人たちは今もさまざまな困難を抱えながら挑戦を続けている。 (『ABEMA Prime』より)
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September 28, 2021 at 12:45PM
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