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Thursday, August 12, 2021

食と農のメディア会議(2)農業・農村活性化のキーワード - 日本農業新聞

▶食と農のメディア会議(1)日本の農業・農村の針路から続く

 ――農業・農村に元気を与えるキーワードは何ですか。

 ■小田切 キーワードは二つあります。一つは「つながり消費」です。最も期待したいのが、国産志向の強まりです。ただ、1月の消費者動向調査を見ると微動だにしていません。調べてみると国産といったカテゴリーはもう古いと感じました。もっと具体的なつながりが求められています。つながり消費は農業の前進面を表しています。ただ、これに乗り遅れてしまう人もいます。この格差にどう対応するかが重要になっています。

 もう一つは、「にぎやかな過疎」です。若者や地域住民、移住者、企業などが混ざり合って、過疎なのに元気がある地域をにぎやかな過疎と呼んでいます。北海道のニセコ町や岡山県の西粟倉村など全国に一定数ありますが、まだ少数派です。横展開していくことで元気を与える可能性があります。

 ■荒川 「資本の論理」と「協同の力」という対峙(たいじ)する概念です。コロナ下で、より感じています。

 資本主義を否定する気はありませんが、昨今あまりにもお金をもうけて、競争に勝って大きくなって豊かになって、という価値が絶対視されているのではないかと疑問を感じます。

 協同組合は一人一票で、お金や資本がいくらあるのかではなく、頭数で決めます。この原理は素晴らしい。資本主義は効率的に分業し、早く安くできる、という生産構造である一方で、少し効率は悪いが分業ではなく、種まきから、収穫まで一人で行う総合力の方がいいという考えもあります。効率は悪くなるかもしれませんが、農業農村だけでなく、ここに日本の将来の姿があるのではないでしょうか。

 ■秋元 地域ならではの良さと強みを再認識することが大事だと思います。コロナを機に、情報の流動性や伝達スピードは上がっています。物理的に遠くても情報が得られて、関係を築けるようになってきました。その中で、その地域ならではの良さ、強みを改めて再定義することが必要になっています。

 にぎやかな過疎という話がありました。強い地域ネットワークの中に、何か特殊な知見を持った人が入ってきたり、若者の意見が取り入れられたりしていくことで、その関係性がポジティブな影響を出し始めて独自の取り組みや、地域固有のツールを発信することができるのではないかと思います。

 ■岡田 「次世代」と「フォーカス」です。

 まず次世代ですが、野菜を生産している中で良いなと思う行動がありました。それは食育です。私の住む東京都三鷹市は、外環道の工事で畑がなくなり、緑が減ってきています。

 何ができるかという思いから始まったのが「どんぐり授業」です。児童がドングリの種を拾ってきて、緑がなくなった場所に緑がいずれ帰ってくるようにと植えます。次世代につながるよう、循環型の食育を通じて農業を楽しんでもらうことが重要だと思います。

 もう一つの「フォーカス」ですが、生産者は認知してもらえるとすごくやる気が向上します。JA東京中央会が企画した「農業男子×総選挙」は、日本農業新聞をはじめ、さまざまなメディアに取り上げられ東京の農業の認知度が上がりました。広告換算額は3億円を超え、今も増えています。こうした報道が日本の農業をもっと元気にするのではないかと思います。

 ――岡山県西粟倉村などは、にぎやかな過疎ですが自治体、経営者の役割の必要性は何ですか。

▶食と農のメディア会議(3)デジタル化、どうする?に続く

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