1~6月の農林水産物・食品の輸出額が5000億円を超えたのは21年が初めて。この勢いを持続できれば、年間で1兆円の大台に乗る。1兆円は19年の目標で政府の見込みより遅れているが、目の前のハードルの達成が近づいたのは明るい材料だ。
輸出額が大きく伸びた品目を見ると、牛肉は前年同期の2倍以上になった。イチゴは76%、リンゴは68%、緑茶も40%それぞれ増えた。いずれも政府が定める重点品目だ。新型コロナウイルス禍で海外でも飲食店が影響を受け20年は全体的に伸び悩んだが、食料品の家庭需要の増加に対応できた品目は実績を上げた。
牛肉が家庭需要をつかんだのは、しゃぶしゃぶなどに使えるスライス加工に取り組んだことが大きい。17%増だった米も家庭需要を狙い、パックご飯に力を入れる。政府が昨年決定した農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略は、こうした消費現場のニーズに対応するマーケットイン型輸出への転換を柱に据える。
輸出額の政府の目標は、25年が2兆円、30年が5兆円。達成へ同戦略では、農業者らに対し、輸出産地づくりへの重点支援やリスクに備えた資金支援、集荷拠点を含む物流整備を進めるとし、農水省の21年度事業でも後押しする。
目標達成は、輸出に取り組む農業者が大きく増えなければ難しい。呼び込むには、輸出のメリットが見えることが重要だ。政府は、輸出拡大で「地方の所得を引き上げる」(菅義偉首相)方針を示しているが、道筋を農業者に十分に説明できているとは言い難い。輸出額のうち、どのくらいが農業者の所得になっているかを示すデータもない。
所得を左右する要素の一つが販売価格だ。同戦略は、輸出先が求める水準で継続的に提供しないと小売店の棚を確保できないと指摘。輸出産地の育成を通じ、「低コスト化の実現による価格競争力の強化」を目指す。輸出額を2倍、5倍に増やすには、買いやすい価格設定が課題になる。
そうした中で所得を確保する道筋を、例えば小玉果を輸出に振り向けるといった工夫や、物流をはじめ中間経費の削減などの取り組みを含め、具体的に分かりやすく示すべきだ。その際、品目や流通ルートなどの取引実態に応じて細かく提示することを求めたい。海外ニーズへの対応は当然重要だが、農業者の意欲を喚起する戦略も必要だ。
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August 20, 2021 at 03:00AM
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農産物輸出戦略 農業所得増へ道筋描け - 日本農業新聞
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