上空に停滞する前線の影響により、14日は西日本から東日本にかけて広い範囲で大雨が降った。各地で記録的な大雨となり、気象庁は同日、最大級の警戒が必要として、佐賀、長崎、福岡、広島の4県に大雨特別警報を発表した。この4県と島根、岐阜、長野の計7県では、警戒レベルが最高の「5」に当たる「緊急安全確保」が発令された。
佐賀県では14日午前6時半ごろ、武雄市内で1級河川の六角川が氾濫。広い範囲で住宅などが浸水した。県は自衛隊に、被害が大きい武雄市と大町町への災害派遣を要請した。1級河川の筑後川が流れる福岡県久留米市でも14日未明から浸水被害が相次いだ。
熊本県人吉市七地(しちち)町の球磨川では船の様子を見に行った70代男性が行方不明になった。川に転落した可能性もあり、消防などが捜索している。
14日午後9時現在、24時間雨量の最大値では、佐賀県の嬉野市で555・5ミリ、大町町で428ミリ、鳥栖市で409ミリを記録し、観測史上最大となった。11日の降り始めからの総雨量(14日午後8時現在)は、嬉野市で1023ミリ▽長崎県雲仙市で917ミリ▽長崎市で891ミリ――となった。九州北部の各地で8月の平年1カ月分の総雨量の3倍を超えたところが相次いだ。
広島県三次(みよし)市と島根県江津(ごうつ)市、美郷町、川本町では1級河川の江(ごう)の川が氾濫した。広島県では平成最悪の水害となった西日本豪雨の降水量を超える雨が降った地点もあった。東広島市では田んぼの様子を見に行った80代男性が行方不明となっている。
気象庁によると、大雨を降らせている前線は15日夜にかけて太平洋へ南下し、各地の雨はいったんは小康状態になる見込み。しかし16日から再び北上し、20日ごろまで本州付近に停滞するとみられる。20日以降は太平洋高気圧が張り出し、東日本から徐々に前線が北に抜ける見通しという。
15日正午までの24時間予想雨量は、東海地方で300ミリ▽関東甲信、近畿、四国、九州地方で250ミリ▽北陸、中国地方で180ミリ▽東北地方で120ミリ。15日正午から16日正午までの24時間予想雨量は、九州北部で100~200ミリ▽関東甲信、九州南部で100~150ミリ▽東海、近畿、中国、四国地方で50~100ミリ▽東北、北陸地方でおよそ50ミリ。【竹林静、井土映美、今野悠貴、野呂賢治】
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