7日に期限を迎える新型コロナウイルス緊急事態宣言の解除を巡り、神奈川、埼玉、千葉の3県の知事は、解除に慎重な姿勢を示す。東京都知事は解除の可否についての言及を避けるが、現状への危機感をにじませる。このまま解除してよいのか。政府は慎重な判断を迫られる。(原昌志、松尾博史、志村彰太、飯田樹与、中谷秀樹)
◆首都圏で足並みそろえて
東京都内の新規感染者数は減少ペースが鈍化し、目標を下回る状況が続いている。小池百合子知事は2日、報道陣の取材に「もう一段ギアを上げないと、間に合わない事態が生じているのではないか」と懸念を示し、「1都3県で連携しながら、どういう方法がいいかまとめることが必要だ」と、首都圏で足並みをそろえて対応する考えを示した。
都は緊急事態宣言の期限に向け、7日間平均の1日あたり新規感染者数を、前週比で7割(3割減)以下とする目標を設定。3月上旬には1日あたり140人以下まで減らすことを目指していた。だが、2月18日以降は8~9割(2~1割減)と減少幅は縮小し、日によっては前週を上回るケースが出ている。
◆入院患者、重症者数は予断を許さない
医療提供体制の面でも、昨夏の第2波のピーク付近と比べ、入院患者数は同水準の1617人(2日現在)、重症者は上回る54人(同)と予断を許さない状況だ。
神奈川県の2月下旬の1日当たりの新規感染者は100人前後、すぐに使える確保病床の使用率は40%台と、ともに1カ月前の半分以下になった。感染状況を示す指標のうち、確保想定病床の使用率は29.3%でステージ3(20%以上)、他はステージ2に改善した。
ただ、2月1日の週の新規感染者数は前週比44%減だったが、同22日の週は横ばいにとどまり、減少ペースは鈍化している。黒岩祐治知事は2日「県の数字だけ見れば解除も視野に入るが、感染者数の減り方は下げ止まっている。ぎりぎりまで状況を見たい」と話した。
◆埼玉「病床使用率、正常な数値じゃない」
埼玉県の大野元裕知事も1日、新規感染者数の減少ペースが鈍ってきているとして「緊急事態宣言が解除できるか確信に至っていない」と話した。
1日時点で確保想定病床の使用率は41.8%とステージ4の指標(50%以上)を下回っている。他の指標もステージ4を脱した。
ただ、2月下旬以降は1日あたりの新規感染者数が100人前後で推移し、減少ペースが鈍っている。病床使用率についても大野知事は「40%台後半は正常な数値ではない」と警戒感を示した。
◆千葉、東京の感染者数を上回った日も
千葉県も感染者数の減少ペースが停滞している。直近の1週間(2月24日~3月2日)の感染者数の合計は844人で、900人だった前週(2月17~23日)と比較し0.94倍となったが、100人台の感染者数が続き、今月1日は127人で東京都の121人を上回り、全国最多だった。
人口10万人当たりの1週間感染者数は13.4人でステージ3(15人以上)を下回るが、深刻なのは確保病床使用率で2日現在49.7%と、依然としてステージ3(25%以上)の指標を大きく上回る状況が続いている。
森田健作知事は2日「明日も上がるようなことがあれば(7日の解除は)非常に難しくなる。今の状況が続けば国に(宣言延長を)決断していただき、その後どうするか考えていただかないといけない」と述べた。
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