田村憲久厚生労働相は30日の閣議後会見で、厚労省の職員が今月24日に23人が参加する送別会を午前0時直前まで開いていたことを明らかにした。東京都が飲食店に午後9時までの営業時間短縮を求めているさなかに長時間・大人数の宴会を開いていたことになり、「国民の皆さまの信用を裏切る形になりました。深くおわび申し上げます」と述べて謝罪した。
送別会は介護保険を所管する老健局老人保健課が開いた。この日午前の参院厚労委員会に出席した土生(はぶ)栄二老健局長や同省によると、老人保健課は三十数人の組織で、23人が出席した。午後11時まで営業している飲食店を探して予約した。送別会は24日午後7時ごろから始まり、参加者は順次増えて23人になり、午前0時直前に終わるまで十数人が残っていたという。費用は課ごとに親睦会のお金を積み立てており、それを充てたという。
会見で田村氏は、対象者を調査の上、年度内にも処分する方針を示した。類似の事案がなかったかについても省内で確認するという。田村氏は「(花見や歓送迎会、卒業旅行などの自粛を)お願いしている役所がこのような失態をさらしたことは大変申し訳ない」「『5、6人(の会食)も控えて』と国民の皆さんにお願いしているにもかかわらず23名という非常に多い宴会、これは許されない」と言葉を強めた。
加藤勝信官房長官は30日午前の会見で「正直言って一体何をやってんだという思いを強く持った」と批判した。
政府は感染の再拡大を防ぐため、食事は短時間で、深酒をせず、歓送迎会も控えるよう広く国民に求めている。会食する場合も人数が増えるほどリスクが高まるとして、できるだけ家族か4人までとしており、今回はそれを大きく上回っていた。
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