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Friday, February 26, 2021

社説:首都圏以外で宣言解除 緩み招きかねぬ首相対応 - 毎日新聞

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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言について、政府は大阪府や愛知県など6府県で28日に解除することを決めた。

 来月7日までの期限を前倒しする。残る宣言対象地域は東京都など首都圏の4都県となる。

 感染の再拡大が懸念される中での解除だが、菅義偉首相は自ら説明する記者会見を開かなかった。首相は記者団に対して、4都県で宣言が続いていることを理由に「発言は控えるべきだ」と繰り返した。

 6府県の感染状況はある程度落ち着いている。だが、1日当たりの新規感染者数は昨春に宣言を解除した時より高い水準だ。病床使用率はほぼ「ステージ3(感染急増)」にとどまり、油断はできない。特に福岡県は50%に近い。

 懸念されるのは、解除後に感染者数が増加に転じることだ。3月はとりわけ、卒業旅行や歓送迎会など感染リスクが高まる恒例行事が多い。

 専門家による分科会は、昼夜を問わず会食を4人までとすることなどを提言している。

 高齢者施設などでのクラスター(感染者集団)が引き続き発生していることも懸念材料だ。

 宣言を一部解除すれば、首都圏の人々の行動にも影響が及びかねない。

 4都県ではすでに新規感染者の減少スピードが鈍化している。いったん抑制された人出は、夜間も含めて増える傾向がみられる。

 このままでは、来月7日の期限で宣言を解除できるかどうかも見通せない。

 医療機関は長期にわたる患者の治療で疲弊している。新型コロナのワクチン接種は、当初の想定よりスケジュールがずれこみそうだ。感染力が強いとされる変異株は広がりをみせつつある。

 感染再拡大の芽を摘み、首都圏を含めて「第3波」を十分に収束させるために重要な局面だ。

 宣言の発令から2カ月近くになる。国民の間には「自粛疲れ」がみられる一方で、生活不安も広がっている。感染対策のかじ取りにはより目配りが必要な状況だ。

 だからこそ、言葉を尽くして国民の理解と協力を求めなければならない。首相には、その重い責任がある。

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