Pages

Friday, September 9, 2022

資材高騰ショック 新規就農の支援拡充を - 日本農業新聞

 資材高騰の影響が新規就農者にも及んでいる。就農に必要な初期投資が当初想定より大幅に膨らみ、計画の見直しを余儀なくされている。食料安定供給の源となる農地をこれ以上減らさないためには、新規就農者の確保が最も大切だ。政府は支援を拡充していく必要がある。

 農業が主な仕事である基幹的農業従事者は、2022年に122万5500人となり、ここ20年間で半減した。21年の農地面積は同1割減の435万ヘクタールとなった。農家が減り続ける中、担い手の規模拡大で農地の減少を抑えているが、限界にきている。

 担い手確保には、新規就農を増やす必要があるが、20年の新規就農者は5万3740人と、6万人を割り込む状況が続いている。

 こうした中、JAグループは本年度から担い手確保に向けた「次世代総点検運動」を本格的にスタートさせた。持続可能な農業・農村づくりに向け、運動を全国展開する。農業にとって、担い手の確保が最重要課題となるのは農業関係者の共通認識だろう。

 しかし、ここに来て資材高騰が大きな影を落としている。北海道新ひだか町の農業担い手育成支援協議会によると、10年ごろに1棟160万円前後だった規格のハウスが、現在300万円以上と倍近くに跳ね上がった。資材高騰による初期費用増大で、営農計画の作成が難しいケースも出てきている。

 計画の見直しに追い込まれた愛知県内の就農希望者は、「就農に二の足を踏む人が多いのではないか」と話す。

 支援に着手した自治体もある。栃木県は22年度6月の補正予算で、新規就農者定着緊急支援事業を設けた。資材高騰を受け、ハウスなどの施設整備に必要な経費や、肥料・出荷資材の高騰分相当の一部を助成する。県は「就農の収支計画を立てるのが厳しく、就農意欲に影響が出る恐れがある」(経営技術課)として対策を打ち出した。

 食料・農業・農村基本法の見直しで、食料安全保障が問われる中、新規就農者の確保は最優先課題だ。資材高騰はほとんどの農家が影響を受けているが、特に新規就農者は経営が軌道に乗るまで、より厳しい状況に置かれる。初期投資で資金を借りるケースが多く、収支が見通せない状況では、就農そのものを諦めなくてはならない。

 新規就農者がさらに減る事態となれば、担い手不足は一層深刻化し、農地の荒廃は広がる。農業を持続させるためにも、国には資材高騰分の補填(ほてん)に加え、税制上の優遇措置など大胆な支援策を求めたい。受け入れる産地も将来の農業農村を見据え、自治体と連携しながら手厚い支援を検討する必要がある。

Adblock test (Why?)



"農業" - Google ニュース
September 10, 2022 at 03:00AM
https://ift.tt/Vabp7Xv

資材高騰ショック 新規就農の支援拡充を - 日本農業新聞
"農業" - Google ニュース
https://ift.tt/0BS16ot
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

No comments:

Post a Comment