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Tuesday, September 6, 2022

AIブドウ栽培ロボット開発 山梨県のスマート農業 - ITmedia NEWS

産経新聞

 ブドウやモモの生産量全国1位を誇る山梨県は、品質もこだわる「果樹王国やまなし」を目指している。量と高品質化の両立には、人手だけでなく細かい技術が不可欠だが、果樹農家の高齢化と、担い手不足は大きな課題だ。そこで人工知能(AI)や小型無人機(ドローン)などのハイテク技術を活用する“スマート農業”で、課題解決を図る動きが急ピッチで進んでいる。

photo ブドウ畑の上空から農薬を散布するドローン=甲府市(平尾孝撮影)

前例のないDX

 「デジタルトランスフォーメーション(DX)の社会実装の一環として、世界でも前例のないAIブドウ栽培ロボットを開発し、スマート農業や地域経済の発展につなげたい」

 産官学協同によるシャインマスカット栽培の高効率・高品質化プロジェクトの中核を務める山梨大の島田真路学長は、今回の取り組みの意義をそう強調する。

 種がなく皮ごと食べることができることから、年々人気が高まっているシャインマスカット。だが高い品質を維持するにはブドウの花穂の段階で摘み取る「房づくり」、ブドウの房から一部の粒を取り除く「摘粒」、そして「収穫判定」といった主な工程で、生産者の「匠の技術」が欠かせない。

手作業と同等目指す

 今回の山梨大、山梨県、機械メーカーのミラプロ(山梨県北杜市)、IT開発のYSKe-com(甲府市)などによる産官学での取り組みは、匠の技術を取り込んだAI搭載農業用ロボットの開発。ブドウ棚の下を自走して、摘粒すべき粒や収穫に適した房をカメラで撮影しAIで判別、ベテラン生産者のノウハウを学習させたロボットアームで作業させることなどだ。

 3年後に試作ロボットの運転、5年後に製品化させる計画だ。全体の作業時間の25%削減を狙うと同時に、手作業で育てられるシャインマスカットと同程度の「秀品率」を目指す。

ドローンで農薬散布

 稲作では一部で実証実験が進んでいるドローンによる農薬散布を、果樹でも展開させる試みも始まっている。

 甲府市はこのほど、ブドウ畑でのドローン農薬散布の実証実験を実施。幅約2mの大型ドローンが、畑のおよそ7m上空を飛行して農薬をまく。ドローンのプロペラの力で、ブドウの葉の裏側まで農薬を吹き付けることができる。

 通常、人手による農薬散布は、平らな1アールの農地なら1時間程度、斜面になると2倍近い時間がかかる。ドローンならわずか10分程度。ブドウなどの果樹栽培に取り組む井上実さん(47)は「散布スピードが早いことに驚いた。人手が不足している中で、有効な手段」と話す。

 甲府市の担当者は「農家一軒でドローン1機を購入するのではなく、組合などで共有することで、有効な活用が可能になる」として普及に向けた施策を検討していく。

 収穫直前のモモやブドウの盗難に対し、ドローンで警戒、防犯することの検討も進んでいる。

“農業王国”期待

 果樹王国を目指す山梨だが、農業人口は減少を続けている。国が5年ごとに実施する全国調査「農林業センサス」では、2020年の県内総農家数は2万7986戸で、10年間で24%減少。高齢化も進むなど、関係者の危機感は強い。厳しい就業環境と収益を上げにくいイメージが背景にあるとみられている。

 長崎幸太郎知事は「AIやロボットなどのスマート農業を活用すれば、例えば高品質のシャインマスカットなどの生産を増やせることにつながる。そうなれば、農家の所得向上にもつながる」と語り、スマート農業による“果樹王国”拡大に期待を寄せている。(平尾孝)

photo AIブドウ栽培ロボット産官学協同プロジェクトの開始イベントに出席した関係者=甲府市(平尾孝撮影)

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