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Wednesday, June 22, 2022

[未来人材プラス]楽しい農業伝えたい 群馬県伊勢崎市・小林章悟さん - 日本農業新聞

野菜見守る元保育士 JAソング手掛ける
 群馬県伊勢崎市のファームありがとう代表、小林章悟さん(37)は保育士からニラ農家に転身した。限られた面積の農地を省力化や効率化でフル活用し、多収量を実現。所得の安定を図る。

 実家が農家ではない小林さんは、20歳で地元保育園に就職。数年で独立して託児所の運営を手がけたが、保育士の確保などの課題に直面し、3年間で閉めた。

 次の仕事に悩む中、父親の知人が定年後にニラ農家になったと聞いた。「野菜を育てることは、子どもの成長を見守る保育の仕事に似ている」と農業に興味を持ち、すぐにJA佐波伊勢崎に相談した。県農業事務所を通して、ニラ農家で研修する機会を得た。6カ月間の研修では栽培技術と「考える力を学んだ」という。

 その後、JAなどの助力を受けて農地を確保。2012年2月に22アールの農地にハウス11棟を建て、ニラを作り始めた。ハウスを自ら組み立てるなどして初期投資を抑えた。

 だが、経営が軌道に乗りかけた14年2月、豪雪でハウス14棟を全て失った。自然の脅威に「ただ、笑うしかなかった」。その後、ハウスを半年で再建。パイプを太くするなど雪害対策を強化した。

 現在は40アールに建てたハウス21棟と、15アールの露地で周年出荷する。JAに出す他、大手飲食店との契約栽培にも取り組む。県農協青年部協議会の役員として、若手農家と経営改善を追求。ニラ産地の高知県を視察し、チューブで根元にかん水する方法を取り入れた。省力化と効率を重視し、農地の狭さを平均9回転の多収量で補う。

 今後は、にらギョーザなど加工品開発を視野に入れる。趣味の音楽でも、16年にJAふくしま未来のイメージソングを作詞・作曲するなど活躍。「保育士の経験を生かし、子どもに音楽で農業の楽しさを伝えたい」と情熱を注ぐ。

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