6月から人材募集を始めたのは、カーボンブラシの加工などを手がける富士産機。従業員約20人の中小企業だ。担当する鈴木聖人さん(38)は「農業に興味はあるが新規就農はハードルが高いと感じている人の入り口にしてほしい」と話す。社会保険労務士と相談して体制づくりを進め、定款も見直した。
鈴木さんが豊田青年会議所の委員長を務めたことがきっかけだ。多様な課題を共有する中で耕作放棄地の増加を知り、解決策の一つとして発案した。
勤務は通常、週3日は同社で製造業に従事し、週2日はKINOファームの作業を請け負う。同ファームが同社に作業費を支払う。場所は市街地から車で30分ほどの中山間地だ。水田2ヘクタールと畑50アールをほぼ1人で管理する同ファームの木下貴晴さん(47)は「高齢化で任される面積が年々増えていく。1人でこれ以上増やせない」。通年雇用も難しく悩んでいた。農繁期に合わせて作業日数を調整する。
豊田市は、自動車関係企業を数多く抱えるが、面積の約7割を森林が占め広い中山間地もある。鈴木さんは「他の企業も興味を持ち、同様の取り組みが広がってほしい」と期待する。
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June 20, 2022 at 03:15AM
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