日本農業の経営者と地域のリーダー育成を目的とする日本農業経営大学校(堀内健治校長)は、2月15日、都内で、卒業研究発表会を行った。大学校で学んだことの研究成果で、この春に卒業する14人が、それぞれ卒業後の農業経営、あるいは農を通じた地域における活動の夢を語った。就農を希望する今日の若者の農業に対する認識が分かる。代表的な発表を拾った。
発表者のなかでただ一人の女性の静岡県島田市の塚本真菜さんは、ミカンと野菜、水稲の主規模な法人に社員第1号として雇用就農。「地域を中心とした循環の渦に多くの人を巻き込む」ことを目指し、野菜の周年多品目栽培による地産地消に取り組む。都市からのアクセスの良さから、「モノよりヒト、コトを起こしたい」と言う。
熊本県の錦町で水稲中心の経営を行う桑原宗之進さんは、化学肥料・農薬などを全く使わない自然栽培のビジネスモデル確立を目指す。「自然栽培を通じて地球と調和のある暮らし、健康意識の高まりから自然栽培の市場は拡大傾向にある」とみる。子どもたちの体験農園や新規加工品の開発によって新たな顧客と関係づくりに取り組む。
埼玉県で雇用就農しながら、東京都内で八百屋の開業を目指す関谷彰修さんは、「野菜だけでなく『農家』を売る独自の店舗のニーズがある」と、店舗内でシイタケの原木から収穫することなどを計画している。
輸入飼料に頼る畜産からの脱却と地域課題(放置竹林)の解決をめざす熊本県阿蘇村の長野泰藏さんは、竹飼料による赤牛の繁殖から肥育までの一貫経営に取り組む。放牧によるノンストレスの飼育で、「阿蘇の畜産を引っぱって行く」と言う。
中山間地域で農業生産法人に雇用就農の予定の京都府京丹後市の加茂倫也さんは、地域特産の山椒の事業化を考えている。生薬会社から入手した希少な台木品種を採用し、全量買い取りでローリスクな販売となっている。水稲の受託栽培も増やし「山椒と水稲の複合経営で中山間農業にイノベーションを起こす」と意気込む。
都市農業を軸に、地域コミュニティづくりを目指す東京都東村市の三上敦也さんは、9代続く農家の後継者で、半径300メートル以内の家族を対象とする直売所など、地元ネットワークの強みを生かして、「永続的に都内で農業ができる仕組みづくり」に挑戦している。
北海道で親元就農の羽田野拓也さんは、10年後の経営として、地域一体型輪作モデルを目指す。このため機械のシェア、農地の集約、情報の集積活用など、組織化したスケールメリットを生かし、「日本の食料供給基地としての役割を果たしたい」と言う。
なお、同大学校は延べ入学者が2020年で1630人。うち農家出身が67.1%で、非農家が32.9%。入学時の年齢は19~24歳が72.1%、25~29歳が22.1で、うち女性は15.7%だった。新規就農が22%、都会に住みながら自産自消が16%、他業種で農業知識活用が24%だった。
※桑原氏の「桑」の字は本来異体字です。
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February 17, 2022 at 06:36AM
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若者が農業への夢を語る 日本農業経営大学校が研究発表 - 農業協同組合新聞
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