旭農ポークカレー誕生に取り組んだ生徒、教員たち＝旭市で
千葉県内の高校で唯一、畜産実習ができる県立旭農業高校で飼育されたブタの肉を使ったレトルトカレーの販売が十九日、地元旭市の道の駅・季楽里あさひで始まった。レシピを考えた生徒は「高校生活の最後に、みんなと協力した勉強の成果が、商品化という形になってうれしい」と声を弾ませる。
同市の食肉工場会社・東総食肉センターが商品化した。同校の畜産科の生徒らが育てたブタは食肉として、年間約八十トン出荷され、精肉加工をしている同社はブランド化を図ろうと、昨年から同校の豚肉であると表示して販売。食肉生産に関わる高校生たちをさらにＰＲし、モチベーションを高めてもらえないかと、レトルトカレーの共同開発を昨夏、提案したところ、学校側も快諾した。
レシピは園芸科フードデザインコースの生徒四人が仕上げた。三年生の多田愛梨さん（１７）と金子大祐さん（１８）は「スパイシーだけど、トマトピューレや県内産野菜の甘味も加わり、子どもでもおいしく食べられる。四回試作し、お肉を大きめにカットするなどの工夫を加えた」と話す。
商品名は「旭農ポークカレー」。同校のマスコットキャラクター・ブッピーが皿に盛られたカレーライスを前にした絵柄の外箱は、食品科学科の生徒がデザインした。畜産科の指導教員によると、経営効率を計算しないでよいため、同校では違う親から生まれた子ブタを同じ区画で育てず、ストレスが生じにくい。また病気予防が目的の抗生物質の注射も最小限に抑え、良好な肉質と、購買客に安心感を抱かせることを自負しているという。
価格は一箱五百円。問い合わせは東総食肉センター＝電０４７９（６４）１９６４＝へ。（堀場達）
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