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軽石が大量に漂着した沖縄本島では除去作業が急ピッチで進められていますが、その影響は住民の足にも及んでいます。北部にある 運天港では離島を結ぶフェリーが欠航、入港できないフェリーは別の港に着岸しました。 【運天港の職員】 「離島に帰れない方もいるので、荷物もいつ こちらから詰めて届けられるのか…」 鹿児島県の最南端に位置する、与論島。ヨロンブルーと呼ばれる美しい海が、観光客に人気です。先月13日に軽石の漂着が確認されて以降、その光景は一変しました。 【与論町 山元宗町長】 「本当にすごい量。島全体で22、000平米ぐらいの軽石が流れ着いているんじゃないかと思う」 観光や漁業への影響に加え、いま、島民の一番の不安は「電力不足」です。 【島民】 「電力が止まらないように、何らかの対策を打ってほしい」 島の発電所で必要な重油を積んだタンカーが接岸できず、燃料の補給が滞っています。 このままでは、年末年始には島全域で停電になる恐れもあるといいます。対策会議で、電力会社の担当者は…。 【九州電力の担当者】 「タンカーが接岸できなかった場合でも、燃料の受け入れをできるような代替案を、いま検討中です。電力の安定供給には問題ないので、心配はいらない」 - 【与論町 山本宗町長】 「九州電力は停電するようなことはないと力強く説明していたので信用したいと思う」 軽石は現在、黒潮にのって高知県の沖合でも確認されています。 養殖が盛んな高知県、すくも湾。年末にかけてブリや鯛の出荷が最盛期を迎えます。この養殖場の真鯛は、高知名産の生姜をまぜたエサで育てているため臭みがなく、1日3000匹を出荷するほどの人気です。 【真鯛の養殖業者】 「軽石が漂着すれば真鯛にエサをあげることができず、出荷するための魚もとれない。出荷量がストップするということが想定できる」 真鯛は雑食のため、軽石を誤って食べてしまうと商品になりません。ただ、これまで経験がないため、対策のしようがないといいます。 【真鯛の養殖業者】 「船が全部ストップしたら仕事にならない…本当に。海に出てなんぼの商売なので」 軽石の漂流についてシミュレーションした東京海洋大学の長井准教授は、海流の影響だけではなく、台風16号など“風による高波の発生”が相次いだことで、まとまった量の軽石が沖縄などに漂着したといいます。 今後、軽石はどこに流れていくのでしょうか。 【東京海洋大学 長井准教授】 「黒潮が大蛇行している日本列島西側の軽石は、あと7日くらいで東海沖、伊豆半島など 関東に近づくと予想される。その規模としては、噴火直後の軽石を100とすると、関東に到達するころには10になっていると予想される。ただし、少量といっても船の運航に影響が出る可能性もないとはいえない」 軽石が関東にまで漂着すると聞き、しらす漁を営む漁業関係者は不安を口にします。 【神奈川県大磯町のしらす漁師 安部川さん】 「軽石は本当に関東にも来るのかな。漁に出るたびに気になってしまう。本当に漂着したら船が壊れてしまう」 コロナの影響で、春から夏にかけて売上は激減、やっと買い物客や観光客が戻ってきたばかりでした。 【買い物客】 「湘南のしらすはおいしい。秋は特においしい」 繊細なしらすは、小さな軽石が混ざれば売り物になりません。さらに12月いっぱいで しらす漁自体が終わってしまうため、まさに今が大事な時期なのです。 【しらす漁師 安部川さん】 「軽石が来るかもしれないとわかっていても、対策のとりようがない。どうにもならない」
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