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Thursday, October 21, 2021

旧大口病院の連続中毒死、元看護師に死刑求刑…遺族「久保木さんの保身のために死んだ」 - 読売新聞オンライン

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 横浜市神奈川区の旧大口病院で5年前、高齢の入院患者3人の点滴に消毒液を混ぜて中毒死させたとして、殺人罪などに問われた元看護師・久保木愛弓被告(34)の裁判員裁判の公判が22日、横浜地裁(家令和典裁判長)であり、検察側は死刑を求刑した。

 論告で検察側は、争点となった久保木被告の責任能力について「完全にあった」とした上で、「患者を守る立場でありながら、約5日間で3人を殺害した。生命を軽視する姿勢は顕著だ」などと主張した。午後には弁護側が最終弁論を行い、結審する予定。判決は11月9日に言い渡される。

 起訴状では、久保木被告は2016年9月15~19日、勤務していた旧大口病院で、入院患者の興津朝江さん(当時78歳)、西川惣蔵さん(当時88歳)、八巻信雄さん(当時88歳)の点滴に消毒液「ヂアミトール」を混入させ、中毒死させたとしている。

 さらに同18~19日、ナースステーションで保管されていた70~80歳代の男女4人に投与予定だった点滴と、もう1人分の点滴の計5袋に消毒液を入れたとして、殺人予備罪でも起訴されている。

 初公判で起訴事実を認めた久保木被告はこれまでの審理で、事件の約5か月前に、患者の家族から「ここの看護師に殺された」と同僚とともに罵倒されたことがあり、責められることを強く恐れるようになったと説明。自分の勤務時間外に患者が死亡するように、点滴への消毒液混入を始めたと供述した。

 この日は検察側の論告に先立ち、中毒死した3人の遺族の意見陳述が行われた。

 八巻さんの長男・信行さん(61)は「父が死に至るまでの経過や様子を知り、胸を押しつぶされる思い」と審理を振り返り、「看護師という人の命を預かり、支える職に就く人の手によって命を奪われるなんて、絶対に許せない」と声を詰まらせた。

 西川さんの娘は「ただ静かに最期を迎えるはずだったのに、私が大口病院を選んだ。今でも申し訳ない気持ちでいっぱい。極刑以外、考えられない」と涙ながらに語った。

 興津さんの姉は代理人弁護士を通じて、「裁判を見るまで死ねないと思ってここまで来ました。久保木さんの保身のために朝江は死んだんですね。5年過ぎた今でも悔しくて悲しくて、たまりません」と訴えた。

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