安芸高田市美土里では14日午後1時30分までの72時間降水量が384ミリと観測史上最大で、2018年7月の西日本豪雨の降水量を超えた。同市では13日に農業用ため池が崩れ、急激に水かさが増した本村川が氾濫。甲田町で水稲80アール、稲発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ=WCS)20アールを栽培する森田孝司さん(66)の水田も氾濫で水路が決壊し、水と土砂が流れ込んだ。
水田の半分以上が被災し、10月に収穫予定の「コシヒカリ」と、飼料稲が倒伏。水田に隣接する住宅にも水が押し寄せた。森田さんは「自然に逆らっても仕方がない。気持ちを切り替え、少しでも多く収穫できるよう、防除に努める」と話した。
九州では福岡、佐賀、長崎県を中心に被害が広がっている。
福岡県JAみい管内は筑後川の支流などで内水氾濫が発生。露地やハウス栽培の葉物野菜で冠水被害が出ている。排水が長時間できず、農地の他、道路など広範囲が水に漬かる状況だ。
JAグループ佐賀は災害対策本部を立ち上げて情報収集に乗り出している。だが、各地で断続的に降雨が続き、現場の見回りなどはできない状況だ。県内は7月に大豆の種まきが終わり、生育期に入っていた。事務局のJA佐賀中央会は「冠水時間が長引くと生育に影響を及ぼす可能性がある。状況を注視している」と話す。
長崎県西海市では農道が崩壊。「管内は中山間地が多く、崖崩れなどが懸念される」(市農林課)という。川棚町でも農道陥没が起きている。
佐世保市はため池の状態を懸念。「池崩壊などの懸念がある。絶対に近づかないようにしてほしい」(農林整備課)と呼び掛けている。波佐見町ではアスパラガスやトマトが収穫期を迎えている。「ハウス破損などの被害が心配だ」(農林課)と話す。
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August 15, 2021 at 04:01AM
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