新型コロナウイルスのリバウンド(感染再拡大)の動きが宮城、山形、愛媛などの地方圏で鮮明となっている。各県は相次いで独自の緊急事態宣言を出し、飲食店への営業時間の短縮要請を強化。一方で国の緊急事態宣言が解除された東京、大阪の大都市圏でも若者を中心に増加傾向が抑えられていない。地方で、都市で、懸念される「第4波」が差し迫っている。
「事実上の緊急事態宣言」
「これからの1週間、繁華街クラスター(感染者集団)を抑えられるかどうかの勝負になる」
25日に過去最多となる59人の新規感染者が出た愛媛県。中村時広知事は27日、記者会見を開いてこう訴えた。松山市の繁華街では変異株のクラスターが起きており、関連する10店舗の感染者は同日時点で144人に膨らんでいる。
こうした状況を受け、県は1日で終了した「特別警戒期間」を再開し、松山市の繁華街では4月1日以降、午後9時までの時短を要請する。対象店舗の無症状の従業員向けに臨時のPCR検査センターも開設する。「事実上の緊急事態宣言」と中村知事は強調する。
「仙台はほぼ満床」
東日本大震災から10年が経過した東北でも感染急拡大が深刻だ。
「仙台市から他の自治体に感染が波及し、増加している傾向もみられる」。宮城県の担当者は状況をこう説明する。新規感染者数は3月24日に171人と過去最多を更新、うち131人を仙台市が占めた。一方、同市を除く県内感染者は25日に60人、26日に63人と連日過去最多となり、塩釜市や名取市など仙台市のベッドタウンへの広がりも目立つ。
感染増加は、医療体制にも波及。確保想定病床の使用率は26・0%(23日時点)で、前週から12・7ポイント上昇した。仙台市の郡和子市長は「医療現場は限界に近づいている」、村井嘉浩知事は「病床の逼迫(ひっぱく)が目前で大変厳しい状況。仙台市ではほぼ満床状態になっている」と危機感を示す。
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