今冬の記録的な暴風雪で、新潟県内でも農業被害が相次いだ。農業用ハウスの倒壊などで野菜や花が収穫できず、コメ作りへの影響も必至だ。県によると、被害額は1月25日時点で16億円を超え、今後も膨らむ見込みだ。【池田真由香】
想定外「どう対策すれば」
積雪が一時110センチを超えた柏崎市。同市黒滝の農事組合法人「黒滝生産組合」ではコメの育苗用ハウス2棟が被害を受け、うち1棟が倒壊した。
理事の大橋広さん(65)は12日午前11時ごろ、雪の重みでゆがんだハウスに危険を感じ、中にあったコンバインを入り口付近に移動していた。そのとき「バーン」という音がして雪煙が上がり、隣のハウスがつぶれた。「どうしていいか分からず、混乱した」と振り返る。
ハウスは中越地震の復興基金を使い、10年ほど前に建てた。シートやポンプは自己負担で、1棟につき約110万円かかった。19年には地域の他の農家と一緒に法人を発足。約40万円かけてより強度のあるシートに張り替え、育苗を共同化して生産性を上げようとしていた。その矢先の被災だった。
2棟のハウスは、除雪しやすいよう3メートルほどの十分な間隔を空けて建てていたが、想定以上の大雪で除雪機が入れず、除雪が十分にできなかったのも一因だった。「考えられないような雪が2、3日で降った。どう対策をすればいいのか」と大橋さんは肩を落とす。
20年は田んぼ8ヘクタール分を育苗して一部を販売しているが、ハウスの倒壊でできなくなった分をプール育苗で行う計画に見直した。それでも3ヘクタール分が足らず、各農家が自前で購入してもらうことにした。
法人は農業保険に加入しているが、倒壊したハウスの撤去や再建などをすべて補塡(ほてん)金で賄えるわけではない。現場を視察した市職員から、農業施設の再建や修繕に使う交付金が「もしかしたら出るかもしれない」と伝えられた。しかし大橋さんは「新型コロナウイルス対策にお金がかかっており、財源はないのでは」と期待していない。
国が被害支援へ
県によると、県内の農業被害額は施設の被害が1678件で、計16億2000万円。農作物の被害は、果樹や野菜など45ヘクタール、ニワトリ2・3万羽、乳牛35頭など4700万円に上った(いずれも1月25日時点の推定)。関川村では鶏舎の屋根が倒壊して採卵用ニワトリ1万羽が死んだ。上越市では3メートルの積雪でブドウ棚が埋もれ、棚が損壊した。
県経営普及課によると、除雪作業の遅れやさらなる積雪で調査が進まず「正確な被害額の把握は相当時間がかかる」という。
国も被害を支援する方向だ。野上浩太郎農相が1月23日に来県し、県内の被害状況を視察した。
県内屈指のコメどころの南魚沼市では、約1億5000万円の被害を受けたJAみなみ魚沼で、22棟のうち19棟が全壊や一部損壊した育苗ハウスを視察した。
同JA管内の5000ヘクタールの田んぼのうち600ヘクタール分を育苗する機関的施設で、コメ作りへの影響は甚大だ。同JAの井口啓一代表理事組合長(65)によると、育苗を大規模な農家に依頼することも考えているが、周辺農家も被害を受けているという。「このままでは種まきに間に合わない」と危機感を募らせた。
県は29日、北海道東北地方知事会の8知事の連名で、施設の再建や被災農家の資金繰りなどへの支援を求める緊急要望書を野上農相に提出した。
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February 02, 2021 at 07:26AM
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「バーン」農業用ハウス倒壊 記録的な暴風雪 被害16億円超 新潟 - 毎日新聞 - 毎日新聞
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