京都府福知山市六十内の「小林ふぁ~む」(小林加奈子社長)は、インターネットと連携したスマート田植え機を導入した。GPS(全地球測位システム)機能が付いて、ほぼ自動で田植えができる。施肥量を記録するなど、農地のデータ収集が可能で、設定通りの実践が可能になるため、品質や作業効率の向上が期待される。
小林ふぁ~むは、加奈子社長(52)と専務を務める夫の伸輔さん(56)が営んでいる。毎年、六十内一帯の水田34枚(約5ヘクタール)で、米担当の伸輔さんが「コシヒカリ」「京の輝き」といった品種の米、もち米を生産している。
今までは経験と勘に頼って作業をしてきたが、これらをデータ化して研究することで良い米を作ろうと、最新鋭の田植え機とクラウドサービスを導入した。2つを連携させる形での導入は府内初だという。
両方を活用することでクラウド上に作業記録を残せ、パソコンなどで設定した作付け計画通りの肥料の量、苗の間隔にすることなどができる。そのため、昨年の状況や実績と比較しながら、稲の育成方法を研究したり、最高の状態での作付けを安定して行える。
ネット上の地図とも連動し、自分の管理する農地が番号や色で分かりやすく表示され、農地への水の出し入れなど、状況把握にも役立つ。
また、効率的な米作りのために田植えでは苗を真っすぐ植えることが欠かせないが、GPS機能により、ハンドル操作をしなくても真っすぐに苗を植えられる。
伸輔さんは「気を張り続けなくていいので疲労軽減になります。速度も上げて田植えができるので、これまでとは全然違います」と話す。
農地に詳しくない人でも作業が可能になるため、人手不足対策にもつながる。
同じクラウドサービスでデータを共有できるコンバイン、乾燥機の導入を検討しており、米作り全体を通して作業軽減、品質向上を図るという。
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