みどり戦略は、2050年までに①有機農業を全農地の25%に拡大②化学農薬の使用量を半減③化学肥料の使用量を3割減――を主な目標に掲げる。先の通常国会で成立した同法は、こうした戦略に沿って取り組む農家を支援する制度を設けたのが特徴だ。
法施行を受けて今後、国は環境負荷の低減に向けた目標を定めた基本方針をつくり、都道府県と市町村が連携して方針を実現するための取り組み計画を策定。都道府県は計画に沿って取り組む農家を認定し設備投資を税制、融資で支援する。10月以降、実施される見通しだ。
支援制度をてこに、戦略を実践する農家を増やすことが重要だが、気がかりなのは、実践に向けて生産現場の機運がいまひとつ高まらない点だ。
日本農業新聞が6月に農業者らに実施した調査では、戦略の内容を「知らない」と答えた割合は依然、7割に上る。加えて、戦略の主要目標を達成「できる」としたのは1割にとどまり、残りは「できない」(5割)、「分からない」(4割)が占めた。戦略の実践には、取り組みを農家が「自分事」として捉えられるかどうかにかかっているが、そうした認識が現場に浸透しているとは言い難い。
注目すべきは、同省が新たに打ち出した戦略の中間目標だ。30年までに達成すべき目標として化学肥料の2割減や化学農薬の1割減などを掲げた。ただ、達成年まで8年しかなく、特に肥料2割減は決して容易なものではない。
同省は、今ある技術や早期に実用可能な技術で達成を目指すとする。具体的には堆肥をペレットにして活用を広げる他、土壌診断に基づく施肥設計の見直し、スマート農機を活用した局所施肥や可変施肥などを挙げる。実現できそうな内容を示すことで現場の理解を広げ、着実な推進につなげる狙いだ。現場に戦略を浸透させる機会としたい。
食料安保を巡り、同省は肥料原料の輸入減少や価格高騰は多くの農産物で起こりやすく、影響が大きい「重要なリスク」と分析した。高騰が続く肥料の使用削減は食料安保の観点からも重要だ。
同法は国会で全会一致で可決・成立し、参院選で各党は肥料などの資材高騰対策を訴える。こうした流れを、食料安保強化への万全な予算確保につなげるべきだ。戦略の現場への浸透を促し、持続可能な農業を実現させよう。
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July 01, 2022 at 03:14AM
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[参院選]みどり戦略法施行 農業現場へ浸透めざせ - 日本農業新聞
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