岩手県矢巾町出身の高橋選手は、先天性の脳性まひの影響で右半身に機能障害がある。リハビリを兼ね、子どもの頃からスキーやハンドボールなどのスポーツに親しんできた。中学生の時、岩手県で開かれた障害者スキー大会に参加し、国内トップクラスの滑りを目にしたことがきっかけで、パラリンピックを目標に定めた。
盛岡農高に入学後、本格的に競技スキーを開始。すぐさま頭角を現し、2年生だった2018年、韓国で開かれた平昌大会に出場した。
「運動センスがあり、負けん気の強い生徒だった」と語るのはスキー部顧問の松浦高行教諭。筋力トレーニングでは、バーベルを手で持てない代わりにリュックサックに重しを詰め、背負ってトレーニングしていたという。「障害があるにもかかわらず、左右のターン差をあまり感じさせない滑りが印象的だった」と話す。
農高生活の中で農業への関心を高めた。特に興味を持ったのは畜産実習だ。実習担当の下道一彦教諭は「他の生徒に交じって、動く手で器用に頭絡や搾乳機を取り付けていた」と振り返り、「将来は酪農家になりたい」と語っていたことを明かした。高橋選手自身のホームページにも「農業で頑張る人を支え、農業に関わっていきたい」と記している。
北京に出発前、日本農業新聞の取材に高橋選手は「農業は私にとって希望であり、いつも未来を明るく照らしてくれていた存在だ」とコメントを寄せた。
平昌大会では回転での17位が最高位。北京では、より上位を目指す。松浦教諭は「思い切った滑りをしてほしい」、下道教諭も「持っている力を出し切って」と農高から北京へエールを送る。
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March 02, 2022 at 03:32AM
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北京パラ4日開幕 農業とスキーが私の希望 盛岡農高出身 アルペン・高橋選手 - 日本農業新聞
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