長い間、農業の外野席がうるさかったのに、このところ、やけに静かだ。農民作家を自称する山下惣一さんが昨年夏に出版した『農の明日へ』にそんなふうに書いている。ぱったりと農業批判が途絶えたというのだ▼「農業は過保護だ」「甘えている」「補助金泥棒」。そんな批判に山下さんは敢然と立ち向かってきた。ところが、このコロナ禍で多くの人が気付いたのではないかという。外国から食糧の輸入がストップしたらどうなるのだろうと▼同書の執筆時は、もちろんロシアのウクライナ侵攻前。この戦争でさらに、食糧事情が厳しくなってきた。小麦の輸出はロシアとウクライナで世界の約3割も占める。国際相場は急騰しており、いつまで高騰が続くか見通せない▼農産物の輸出入は日本は輸入が10兆円、輸出は1兆円。主要な各国と比較しても、輸入への依存度が高い。今更という気がするが、農林水産省は先月、食料安全保障に関するチームを設置し、安定供給の検討を始めたという▼山下さんは日本の農業の圧倒的な強みを繰り返し書いてきた。それは生産地と消費地が非常に近いこと。旬の野菜や果実を旬に食べることができる近さ。それを生かして、地域の生産者と消費者が支え合いたい。長い間のそれが山下さんの念願だった。(2022・3・30)
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