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Friday, February 18, 2022

有機農業の拡大 多様な参加促す制度を - 日本農業新聞

 国際有機農業運動連盟(IFOAM)が推進する「参加型保証システム(PGS)」による小規模農家向けの有機認定が世界で広がっている。第三者機関による認証ではなく多様な関係者が認め合う仕組み。有機農業の拡大に向け、農水省はこうした手法も視野に入れるべきだ。

 農水省は「みどりの食料システム戦略」で、2050年までに耕地面積に占める有機農業の取り組み面積を25%(100万ヘクタール)に拡大する目標を掲げ、環境負荷の低減に向けた新たな法律制定を進めている。17日には日本オーガニック会議実行委員会が同省に対し、法制化に伴い、有機農業をはじめとする環境調和型農業の普及拡大に向けて具体的な要望書を提出した。

 生産現場での有機農業の拡大は待ったなしだ。同省によると国内で約4000戸の農家が有機JAS認証を受けているが、実質的に有機に取り組む約8000戸は認証を取得していないという。なぜ広がらないのか。現場からは第三者機関による認証は「費用が高く、書類作成の負担が大きい」といった声が上がる。

 一方、IFOAMには、国が認証する有機JASとは違い、地域の消費者や生産者など多様な人が参加して、小規模な単位で有機農業を承認する仕組みがある。参加型保証システム「PGS」という制度で、04年にアルゼンチンの有機団体の呼び掛けで始まった。08年にはIFOAMが第三者機関による認証と並ぶ仕組みとして位置付け、米国やニュージーランドなど77カ国で約110万人の農家が承認されている。

 日本で初の承認を受けたのは岩手県の「オーガニック雫石」。承認費用は1農家当たり年間約7500円で、書類作成も最小限の作業で済んだという。費用は、農相の認定を受けた同県の有機認証機関の費用と比べて1割以下だ。承認に立ち会ったのは地域農家や保育士、教師、消費者ら22人。有機JASの基準に沿って栽培をしているものの、第三者機関が認証していないため「有機」と表示できないのが現状だ。

 同省は21年度補正予算で、市町村が主体となって、まとまって有機農業に取り組む地域づくりを支援する。堆肥など有機資材の供給体制の整備や集出荷体制の構築、学校給食での利用、有機農産物を原料にした加工品製造など、生産から消費まで一貫した取り組みを推進。25年までに100市町村を「オーガニックビレッジ」とする計画だ。

 こうした試みを前に進めるには、有機認証の加速化が不可欠となる。有機農業の裾野を広げる多様な選択肢の一つとして、小規模農家も取り組みやすいPGSの導入に向けた環境整備を求めたい。

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