第49回衆院選は31日、投開票される。就任して間もない岸田文雄首相(自民党総裁)の信任が問われ、自民、公明両党は連立政権の継続を訴えている。新型コロナウイルス対策や経済政策などが主な争点だ。野党は約9年間の安倍晋三、菅義偉政権の継続を批判し政権交代を目指している。自民は公示前勢力の276議席から減らす公算が大きく、減少幅と衆院の単独過半数となる233議席を確保できるかが注目点だ。
衆院定数465議席(選挙区289、比例代表176)に1051人(選挙区857人、比例単独194人)が立候補した。現行制度下では平成17年衆院選を下回り最少だ。投票は一部地域を除き午前7時から午後8時まで実施され、31日深夜にも大勢が判明する見通しだ。
立憲民主、共産、国民民主、れいわ新選組、社民の野党5党は全289選挙区のうち約7割の213選挙区で候補者を一本化し、135選挙区で事実上の与野党一騎打ちに持ち込み、激戦となった。69選挙区が日本維新の会を含む三つどもえの戦いだ。
首相は勝敗ラインを与党での過半数233議席の獲得と定めている。しかし、自民が単独過半数を得られなければ、来年の参院選をにらみ「選挙の顔」として疑問符が付き、政権運営が厳しさを増す可能性がある。一方で233議席前後を獲得すれば、公明と合わせ与党で全常任委員長ポストを独占し、各委員会で過半数の確保が可能となる絶対安定多数(261議席)が視野に入る。
また、最終盤に入り、自民の要である甘利明幹事長が、自身が立候補している神奈川13区で立民新人の太栄志氏をかわせるかどうかが、政権運営を左右する焦点として急浮上した。
各党党首は選挙戦最終日の30日、各地で最後の訴えを行った。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」も支持拡大に動いた。
4年ぶりの衆院選は、内閣発足から衆院解散まで10日間、解散から投開票まで17日間と、いずれも戦後最短となった。前衆院議員の任期満了日(21日)以降に投開票日を迎えるのは現行憲法下で初めて。
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