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Saturday, May 1, 2021

【5月2日付社説】有機農業の復活/若い担い手育て栽培拡大を - 福島民友

 農薬や化学肥料などを使わない環境にやさしい農業の取り組みを広げ、県産の有機農産物を増やしていきたい。

 県は本年度、有機農業の担い手を育てるため、新たな事業を始めた。就農希望者の相談体制、研修を受け入れる生産者とのマッチングを強化するほか、研修先の農機具、資材の購入費などを支援する。

 希望者は2年間、研修に取り組み、3年目に独り立ちする。実践的な研修で知識や技術を習得し、就農後も研修先などから指導やサポートを受け、安心して営農できるという利点もある。

 県によると、有機農業を志す人は若者などに多く、本県に移住などをして新規就農を目指す人もいる。本県農業の担い手は高齢化が顕著で、若手の育成が急務だ。県や市町村は、研修の環境や内容を充実させ、即戦力となる人材を養成してほしい。

 本県はかつて、有機農業の先進県とされた。2010年度の有機農産物の栽培面積は280ヘクタール、生産者数は全国5位の102人に上り、浜通りを中心に盛んだった。

 しかし東日本大震災と東京電力福島第1原発事故により面積や生産者数は激減した。風評被害などで販路を失った農家も多く、19年度の栽培面積は188ヘクタール、生産者数は55人程度にとどまっている。

 有機農業は除草や害虫防除、施肥管理に手間が掛かり、生産性の低さや不安定さなどが障壁となっている。また県内の有機栽培はコメが中心で、コメ以外の品目を増やすことも課題になる。

 近年はコメ余りが顕著で、国や県は転作を促している。県などは転作作物となるソバや大豆をはじめ、付加価値の高い野菜や果樹などの栽培を生産者に働き掛け、生産を安定化させる技術の開発や普及にも力を入れることが必要だ。

 食の安全・安心の意識の高まりなどから、国内外の有機食品の市場規模は拡大している。しかし本県の有機栽培は個人や小規模での取り組みが多く、生産量も少ないため、販路の確保に苦労している生産者は多い。

 インターネットを使った販売を促したり、業者や消費者に安全性やおいしさをアピールする機会を増やしたりするなど、県には販路開拓の支援強化が求められる。

 化石燃料を原料とする化学肥料などを使用しないことでCO2の発生が抑えられ、地球温暖化の防止にもつながるとされる。海外では、多くの国が環境保全などを訴え、取り組みを強化している。生産者や消費者に有機農業について理解を深めてもらうことも大切だ。

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