遺志継承「自然の中、自由に生きる」
白山麓の大日川支流で、有機農業に取り組みながら、亡き父が大切にした農地を守る女性がいる。白山市柳原町の宮本聡子(あきこ)さん(50)だ。栽培だけでなく、作った農産物で加工品を考案したり、農業に興味がある人を招いて作業体験会を開いたりと精力的に活動している。「自分や周囲が豊かな気持ちになる農業を追い求めていきたい」とほほえむ。 (都沙羅)昨夏から市内の道の駅などに並んだプリン「こーんなぷりん」や、硬い食感の焼き菓子「そーんなこってぃ」。一風変わった名前だが、一緒に農業を営む兄の真吾さん(56)が平飼いするニワトリの卵で作った、やさしい甘さのスイーツだ。ニワトリの餌は宮本さんたちが畑で栽培するオオムギ。卵の黄身はこくがあり、白身は雑味が少ないと評判。JA白山の加工場(同市道法寺町)を借りて、有田友香さん(49)と手作業で作っている。
除草剤や化学肥料を一切使わない背景には、十二年ほど前に七十歳で亡くなった父重吾さんの生き方がある。大手企業を脱サラし、「自然の中で自由に生きる」と、宮本さんが生まれた直後に柳原町で農業の道に進んだ父。宮本兄妹は「小さい頃は農作業の手伝いが嫌で」と笑いつつも、「人としていかに生きるかを考えよ」と語り、有機農業に打ち込む父の姿を見て育った。
宮本さんは短大を卒業後に野々市市で就職したが、幼い頃から身近だった農業や食に関わる仕事がしたいと一年で退職。柳原町に戻り、父の水田や畑で農作業を始めた。野菜の宅配や地域の観光施設などでのアルバイトもした。
二〇一六年、JA白山が農産物の加工場を設けたことで、加工品の創作意欲が高まり、起業を決意。一八年十月に「ゆたかさ企画」を立ち上げ、オリジナル商品を道の駅などに卸す。
月に一度、農業に関心のある人を集めて一緒に農業水路の整備や稲刈り、みそ造りなどをする「ゆたかのしごとの日」も企画し、農業を通じた輪を広げている。
とにかく農業が好きな聡子さん。「特に草刈りは最高。体を動かすと無心になれるし、農地も整備されて良いことづくし」。父から引き継いだ農地と、これからも歩んでいく。
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