高知県はＪＡグループ高知や高知大などと産官学連携で、デジタル技術を活用し農業関連のデータを連係する基盤「ＩｏＰクラウド」を２０日、始動した。県内各農家の農産物出荷データなどをリアルタイムで一元的に集約することができ、農業の効率化や農業人口の拡大が期待される。すでに農家約３０００戸のデータを集めており、県によると「これほど多くの農家がクラウドシステムでつながるのは全国初」という。【松原由佳】
ＩｏＰクラウドは、ＩｏＴ（モノのインターネット）で接続した農業ハウス内の機器のデータや出荷データを一元的に集約するデータベースシステム。集めたデータにＡＩを組み合わせ、栽培・生産管理の最適化や出荷時期の予測を行う。生産者はスマートフォンやパソコンを通して自分の出荷実績の推移がいつでも確認できる。また、県やＪＡグループ高知がデータ分析に基づき栽培指導を行う。
県によると、ナスやトマトなど野菜主要７品目で、温度や湿度などを記録し農業に活用する「データ駆動型農業」の県内での導入面積率は５５・２％と全国一の普及率を誇る。こうしたデータをＩｏＰクラウドに集約することで県内農家の生産力向上などにつなげようと、県などが２０１８年度からプログラムを進めてきた。２３年までに県内農家のほぼ全てにあたる約６０００戸のデータ集約を目指す。
２０日に県庁で行われた記者発表会で県農業振興部の岡林俊宏・ＩｏＰ推進監は「一人でも多くの農家に参画してもらいたい」と話した。高知市のキュウリ農家、越智史雄さん（５４）は「農家としてワクワクしている。経営レベルを上げていきたい」と意気込んだ。
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January 21, 2021 at 08:53AM
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