宮崎県は1日、同県日向市東郷町の養鶏場の鶏から、致死率が高い高病原性の疑いが強い鳥インフルエンザウイルス(H5型)が検出されたと発表した。県は同日、この養鶏場が飼育するブロイラー約4万羽の殺処分を始めた。日向市に隣接する同県都農(つの)町でも同日、簡易検査で陽性を確認した。
2019年2月現在のブロイラーの飼育戸数(465戸)、飼育羽数(約2823万羽)がいずれも全国最多の宮崎県では、過去にも鳥インフルエンザの打撃を受け、県や養鶏農家が対策に追われてきた。
07年1月には清武町(現宮崎市)などで高病原性H5N1型の鳥インフルエンザが検出され、約20万羽が殺処分された。11年も県内各地の養鶏農家で相次いで感染が確認され殺処分は約100万羽に達し、14~17年は毎年、感染確認や移動制限が続いた。
農林水産省によると、鶏肉や卵などから鳥インフルエンザが人に感染した事例は確認されていない。ただ、新型コロナウイルスの影響で需要の落ち込みも懸念される中、関係者は危機感を募らせる。
県の防疫会議に出席した山形種鶏場宮崎支店(同県小林市)の大脇秀吉支店長は「発生はショックだ。点検をしていても見落としはある。朝、農場に入るのが怖い」と漏らした。県養鶏協会の古沢邦夫専務理事は「(鳥インフルを)発生させないように努力しているが厳しい状況。早く収束させるのが一番」と険しい表情を見せた。
ブロイラー飼育羽数約2797万羽(19年2月)で全国2位の鹿児島県にも緊張が高まる。全国的な鶴の越冬地として知られる同県出水市では今季、野鳥のふんなどから高病原性の鳥インフルエンザウイルスが検出され、県は周辺の農場に消毒用の石灰を配布するなどしている。県畜産課の今藤豊重・家畜防疫対策監は「いつどこで発生してもおかしくない状況だ。関係者と一体になって対策に当たりたい」と話した。【杣谷健太、足立旬子】
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