左から菅氏、岸田氏、石破氏
自民党の岸田文雄政調会長(63)と石破茂元幹事長(63)は1日、安倍晋三首相の後継を決める党総裁選への出馬を正式表明した。岸田氏はデジタル化の推進による地方分散、農業のスマート化を提起。石破氏は農家やJAとの信頼関係構築を重視して農政運営する姿勢を強調した。総裁選は主要派閥が軒並み支持する菅義偉官房長官(71)が軸。菅氏は2日にも出馬を正式表明する。
岸田氏は会見で、安倍政権の成果を評価した一方、格差や貧困が新たな課題として浮上したとし「分断から協調へ」を掲げて取り組む考えを示した。地方や農業の活性化では、デジタル化の推進によって人口の東京一極集中から地方分散を促す「デジタル田園都市構想」の推進や、スマート農業の拡大を挙げた。
安倍政権は官邸主導で農政改革を進め、後継首相の政策決定の在り方も焦点。岸田氏は「トップダウンとボトムアップを適切に使い分けることができるかどうかが、賢い政治だ」と述べた。
石破氏は、農業を巡り付加価値を高めた農産物の輸出拡大に力を入れる考えを強調。同時に、国産回帰にも注力する方針を示した。農政の運営方針では農家やJAとの信頼関係構築が重要だと指摘。JAは「地域における農業の位置付けとして非常に重要」だとした。
安倍政権の農政は「大きな成果があったと思っている」と評価した。一方で、「農業は産業政策であると同時に地域政策である」と述べ、両者のバランスが重要との認識も示した。
菅氏は最大派閥の細田派や麻生派など主要派閥の支持を固め、国会議員票で大きくリードする。安倍政権では一連の農政改革にも深く関わっており、出馬表明での発言にも注目される。岸田、石破両氏は自派閥以外の支持獲得を目指すが、厳しい戦いを迫られそうだ。
新総裁は16日にも召集される臨時国会で首相に指名され、同日中にも新内閣が発足する。
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September 02, 2020 at 05:05AM
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岸田氏、石破氏が出馬 菅氏きょう正式表明 自民党総裁選 - 日本農業新聞
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