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Wednesday, August 26, 2020

「求む農地」農業で自立目指す 不登校経験の20歳 古野農場で修業中 - 西日本新聞

 「地域や農業者の仲間に入れてもらい、自立を目指したい」-。福岡県桂川町の「合鴨(あいがも)家族 古野農場」で農業研修中の宮崎陽太郎さん(20)は、中学時代のほとんどを学校に通わず過ごした。不登校の経験から、一時は「集団生活に不安があった」というが、研修を通じて徐々に自信をつけ、現在は独立を目指して桂川町や嘉麻市を中心に、畑と田んぼを貸してくれる人を探している。

 宮崎さんは直方市出身。友人関係に問題はなかったが、中学生になって勉強について行けなくなったことがつらくなり、1年生の夏休み明けから休む日が増えた。そして、2学期の途中から不登校になった。

 心配した宮崎さんの両親は、引きこもりをテーマにした講演会に参加。そこで飯塚市で引きこもりの人を支援するNPOの代表、野田隆喜さん(63)と出会った。野田さんはそれから2年間、宮崎さんの自宅を訪れて対話を重ね、「中学を出て何の肩書もない状態だと社会から孤立しがちになる」と、通信制高校への進学を勧めた。

 宮崎さんは通信制高校で学びながら、自立に向けた職探しに。そこで野田さんが提案したのが農業だった。「食べ物さえあれば生きていけるし、農作業を通じて、人とのつながりを再構築できる」。最初はピンとこなかった宮崎さんだが、2年の夏に種苗メーカー「タキイ種苗」が滋賀県に設置している園芸専門学校へ見学に行った際、広大な土地でさまざまな野菜が育てられている光景に魅了され「やってみたい」と同校に進むことを決めた。

 専門学校は1年間の全寮制。宮崎さんにとって初めて親元を離れた暮らしになったうえ、集団生活は5年ぶり。「ずっと家にいて体力もなかったし、不安や緊張で逃げ出したいとも思った」。それでも、グループで実習をするうちに仲間ができ、育てた野菜が収穫の時期を迎えると感動を覚えた。勉強を重ねるにつれ、農業への熱が高まった。

 昨年春の卒業以降は、古野農場の古野隆雄さん(69)の下で、有機農業などを学んでいる。古野さんは「意欲的に働くし、研修を通してたくましくなった。農業従事者が減る中、彼のような若い力は宝だ」と目を細める。

 今は農場での仕事と並行して、独り立ちするための田畑を探している。ただ、休耕地の情報が集約されたサービスなどが地元にはなく、見つける手がかりは少ない。宮崎さんは「まずは来春から3年、自分だけで農業をして農家としての信頼を築きたい。どんな情報でも教えてもらえたら」と話す。野田さんは「不登校を経験した彼に、自立できるチャンスを与えてほしい」と呼び掛けている。 (長美咲)

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August 27, 2020 at 04:00AM
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